韓国の二次電池(バッテリー)用正極材大手「L&F(エルアンドエフ)」が、ハイニッケルNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)とリン酸鉄リチウム(LFP)の2本柱で事業ポートフォリオを再編する。電気自動車(EV)のキャズム(一時的な需要停滞)や市場環境の変化に柔軟に対応し、LFP事業の本格拡大と46パイ(直径46ミリ)円筒形電池、ロボティクスなどの新規需要開拓を通じて、2030年の全体出荷量を2025年比で4.5倍に引き上げるという壮大な目標を掲げた。
業界関係者が18日に明らかにしたところによると、L&Fは前日の17日、大邱(テグ)市達城郡(タルソングン)の求智(クジ)第3工場で国内外の機関投資家およびアナリストを対象とした「2026インベスター・デイ」を開催し、こうした中長期成長戦略を正式に発表した。
今回のイベントは、グローバルバッテリー市場のパラダイムシフトに対応する同社の中長期事業戦略や、主要事業の進捗状況、次世代正極材の技術競争力を投資家へ直接共有するために設けられた。
L&Fは、これまでハイニッケルNCM分野で培ってきた圧倒的な技術競争力を基盤に、次世代バッテリー市場の多様なニーズに応える製品開発を継続する。
昨年末から供給を開始した46パイ製品をはじめ、グローバル完成車メーカー(OEM)による採用拡大への対応を急ぐ。さらに、ロボティクスといった新規需要先へと応用領域を広げ、2030年までNCM出荷量を年平均23%成長させるというロードマップを示した。
LFP分野では、高密度製品による性能の優位性を確保すると同時に、韓国国内での生産と「脱中国」のサプライチェーンを武器に、グローバル蓄電システム(ESS)および普及型EV市場で差別化された優位性を築く戦略だ。
同社は2026年のESS向けLFP正極材の出荷を皮切りに、脱中国ESS市場の攻略を本格化させ、今後は普及型EVへと適用分野を順次拡大する計画である。
これを加速させるため、LFP正極材の生産・販売を専門とする100%子会社「L&Fプラス」を通じた量産体制の構築にも拍車をかけている。
去る7月末には国内初のLFP正極材量産ラインによる試作品を出荷。来る第3四半期末には年間生産能力3万トン規模のLFP量産に着手。2027年上半期までは段階的に生産体制を拡充し、総生産能力を年6万トン規模へ引き上げる計画だ。また、今後グローバルESS需要の拡大や複数顧客からの追加供給要請に応えるため、生産能力を12万トン以上に拡大する案も視野に入れている。
この日の発表会では、2024年の初開催時に提示した中長期目標の達成実績も共有された。ハイニッケル製品の競争力強化とLFP新規事業の拡大が奏功し、2026年の出荷量は2024年比で約2倍に増加。2027年の出荷量についても、当時の目標数値を上回る見通しが示された。また、新規の海外顧客が占める比率も、当初の目標を上回る着地が予想されている。
L&Fのリュ・スンホン最高財務責任者(CFO)は、「ハイニッケルNCMの技術競争力を高度化し、LFP事業を本格化させるとともに、46パイやロボティクスといった新たな成長領域へ事業基盤を広げていく」と強調。「製品、顧客、地域のポートフォリオを持続的に多角化し、市場の変化に対する対応力を一段と高めていく方針だ」と述べた。
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