現代自動車の労使が、基本給の引き上げや大規模な成果給支給などを柱とする今年の賃金交渉の暫定合意案をまとめた。10年ぶりとなる全面ストライキに発展するなど激しい陣痛を伴ったものの、双方が一歩ずつ歩み寄り、交渉開始から111日目にして劇的な妥結に至った。
業界関係者が25日に明らかにしたところによると、現代自労使は前日からこの日まで、蔚山(ウルサン)工場で1泊2日にわたって行われた第17次本交渉で、今年の賃金交渉に関する暫定合意案を引き出した。
今回の暫定合意案の主な内容は、基本給の月10万ウォン引き上げをはじめ、成果給および賞与400% +1270万ウォン、株式15株の支給、福利厚生として福祉ポイント50万ウォンの支給などだ。さらに夏季休暇費の20万ウォン引き上げも含まれた。
また、労働界が強く求めていた技術職(生産職)の新規採用についても合意に達した。現代自は、来年下半期に200人、2028年に300人など、合計500人の技術職を新たに採用する計画だ。
一方、最大の争点の一つであった「賞与金の引き上げ」問題については、来年の団体交渉で改めて議論することに持ち越された。懸案となっていた「定年延長」については、関連法規が改正された場合、賃金ピーク制の拡大なしに実施することで一致した。
さらに、組合活動の過程で発生した法的紛争にも終止符が打たれる。会社側は、これまでの不法行為などを理由に提起していた損害賠償および仮差し押さえの10件すべてを解除することを決めた。
労使が暫定合意に至ったことで、長期化していたストライキの混乱も一段落する見通しだ。現代自労組は今年、賞与金引き上げや定年延長などを巡って会社側との溝を埋められず、昨年に続き2年連続でストライキに踏み切った。
先月13〜15日の部分ストを皮切りに次第に圧力を強め、今月21日には実に10年ぶりとなる8時間の全面ストライキを断行した。今年の累計スト時間は60時間に達し、交代勤務制の特性上、実際の生産ラインの稼働停止時間は120時間に上った。
業界では、これに伴う生産支障台数を約5万5200台と推計している。車両の平均販売単価を掛け合わせると、累計の売上減少額は2兆3000億ウォン(約2600億円)を超えるものと試算される。労組側にとっても「ノーワーク・ノーペイ」の原則に基づき、参加した従業員の賃金減少が重くのしかかる結果となった。
今年5月6日の顔合わせ式から数えて111日目。労使は来る31日、全組合員を対象とした賛否投票を実施する。ここで可決されれば、今年の賃金交渉は最終的に妥結する。
今回の交渉では目先の処遇改善だけでなく、未来の産業構造転換に向けた協力関係の強化でも一致した。物理的AI(フィジカルAI)やロボティクスなど、未来技術の導入が企業の競争力確保に不可欠であるとの認識を共有し、今後は新事業や新技術の推進経過を労使間で適時共有していく方針だ。
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