ポスコ・フューチャーエム(POSCO FUTURE M)が韓国の国内有力バッテリーメーカーと、LFP(リン酸鉄リチウム)用正極材の大規模な長期供給に合意し、本格的なLFP正極材事業の拡大に乗り出した。
今回の合意は、北米におけるエネルギー貯蔵システム(ESS)の爆発的な需要に先手を打って対応するために締結されたものである。ポスコ・フューチャーエムは来年から2032年までの6年間、19万トン以上のLFP用正極材を同バッテリー企業に供給する予定だ。両社は今後、具体的な条件についての詳細な協議を進め、第3四半期中に正式契約を締結する方針だ。
ポスコ・フューチャーエムの関係者は、「今後はポスコグループレベルのシナジーを活かし、酸化鉄などの製鉄工程の副産物やアルゼンチンの塩湖から確保したリチウムなどを活用した新工法を適用する」とし、「これにより一段と高まった原価競争力を備えたLFP用正極材を生産・供給していく計画だ」と説明した。
LFPバッテリーは、NCM(ニッケル・コバル・マンガン)やNCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム)などの三元系バッテリーに比べ出力面では劣るものの、安価な価格と長い寿命が最大の強みである。近年、人工知能(AI)向けデータセンターの相次ぐ増設などで電力需要が急増しており、安定的な電力供給に欠かせないESS用LFPバッテリーの需要が急速に拡大している。
同社は顧客企業へLFP用正極材をタイムリーに供給するため、直近で浦項(ポハン)工場のハイニッケル正極材生産ラインの一部をLFP用へと転換を完了した。現在、試製品に対する顧客側の認証手続きを進めており、今年末からは量産・供給を開始する予定だ。
ポスコ・フューチャーエムは、昨年12月に取締役会を開いてLFP正極材工場の建設案件を承認し、同月には合弁パートナーらと投資契約(JVA)を締結するなど、次世代の成長ドライバーとしてLFP正極材事業を着実に推進してきた。今回の大型供給契約の締結により、同社の事業多角化と収益基盤の多面的な強化が一層スピードアップするものと期待される。
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