2026. 09. 21 (月)

[コラム] 「逆さまの太極旗」…単なるミスで片付けられない頻発する事態

写真=SNS
[写真=SNS((左)ノ・シファン選手のユニフォームに付けられている太極旗の模様が逆さになっている)]

去る18日、アジア大会の野球韓国代表チームが仁川国際空港から名古屋へ出国する、まさにその瞬間だった。主将のノ・シファン選手が取材陣の前でインタビューを行っていたが、カメラに映ったユニフォームにつけられた太極旗の模様が逆さになっていた。単に色が逆になっている程度ではなかった。太極模様はもちろん、乾坤坎離(太極旗(韓国の国旗)の四卦(黒い線))の位置まで180度完全に逆に印刷されていた。国を代表してマイクの前に立った主将のユニフォームに付けられた「逆さまの太極旗」模様がそのまま報道されたことで論争は急速に拡大した。

KBO(韓国野球委員会)側は単なる印刷ミスと釈明したが、実際に私たちが直面している太極期の誤りに関する事件は、単なるハプニングで片付けるにはあまりにも広範かつ衝撃的である。

国のアイデンティティと自負心を象徴する太極旗が、最近韓国社会のあちこちで上下逆さまに露出する事態が相次いで発生している。

地方自治体の公共掲示板から、国際舞台に立つ韓国代表選手のユニフォーム、そして高官や国会議員の胸につけたバッジに至るまで、分野を選ばない。光復節(解放記念日)のような意義深い祝日でさえ例外ではなかった。これに対し大衆の間では「一体どこに気を抜いて仕事をしているのか」という指摘とともに、「単なる不注意を越えて何らかの意図が隠されているのではないか」という苦い疑念まで広がっている。

2024年7月、過去李在明(イ・ジェミョン)代表が党代表出馬の記者会見という大々的なマスコミの注目が集まる場面で、太極旗のバッジを上下逆に着用していた姿が露呈し批判を浴びたことがある。当時、現場では会見中にある記者が「太極旗を逆に付けた特別な意味があるのか」と質問したりもした。「意図はない」としてバッジをすぐに正した李在明氏のハプニングだけで終わらなかった。

今年6月、同じ「共に民主党」の与党代表である金民錫(キム・ミンソク)国務総理が中国訪問中に太極旗のバッジを逆に着用している姿が捉えられ、再び論争を巻き起こしたからだ。なんども「ミス?」を繰り返す理由が意図的に解釈されかねない状況下でも、総理室はこれといった公式釈明を行わなかった。これは単なるバッジ着用の問題を超え、公職者のシンボル管理やプロトコルの問題へと関心が拡大するきっかけにもなった。

地方自治体の行政のずさんさも深刻である。仁川市など一部の自治体では、光復節などを記念する横断幕やポスターに太極期が誤って表記され、市民の批判を浴びて急きょ撤去された。また光州市議会の場合、庁舎前にある太極旗を4日間も逆さまに掲揚したまま放置し、相次ぐ苦情や指摘を受けてようやくこれを正すなど、受動的な態度を見せた。

特に仁川市は、グループ「SUPER JUNIOR」のキム・ヒチョル氏の指摘により、光復節を記念して掲げられた横断幕の中の太極期の文様が「逆さまになっている」という論争が拡散してからやっと市庁後門付近の横断歩道に設置されていた該当の横断幕を撤去したのだ。

こうした事件が発生するたびに、関係機関は「外注業者の単純なミスだ」「実務者の不注意だった」という釈明に追われる。しかし、仁川市やLH(韓国土地住宅公社)などの各地域の事例に見られるように、機関が自発的に誤りを正したケースはほとんどない。市民の鋭い指摘と絶え間ない抗議が殺到した末に、ようやくしぶしぶ撤去・修正するという後手後手の対応が繰り返されている。

一部では、過去の北朝鮮臨時委員会時代に使用された逆さまの太極期の歴史的事例まで持ち出し、「国家のアイデンティティを揺るがそうとする意図的な表現ではないか」という極端な疑惑や陰謀論まで提起されている実情だ。主張が過激だったとしても、大衆がこのように極端な疑いを抱く原因を提供したのは、政府、公共機関、そして政治家自身にほかならない。

国を代表してマイクの前に立ち、法律を作り執行する国会議員や高官らが、太極期を逆さまに付けて公式の場に臨むことは、それ自体が国民に対する欺瞞であり冒瀆である。一般の国民が日常で太極期を扱う際ですら方向と形を確認するのに、国の重大事を決定し外交の最前線に立っている人々が、自分が胸につけている太極期の上下すら認識していないということがあり得るだろうか。単なるミスと片付けるには、その頻度が多すぎる。

太極期は単なる布切れではなく、無数の先烈たちの血と汗、そして大韓民国国民としての自負心とアイデンティティがそのまま込められた歴史そのものである。国のシンボルを冒瀆し、基本を忘れた者たちにもはや「ミス」という盾の裏に隠れる機会を与えてはならない。
 
亜洲日報の記事等を無断で複製、公衆送信 、翻案、配布することは禁じられています。
기사 이미지 확대 보기
경북 포항시 경북 포항시
닫기