2026. 07. 07 (火)

ネタニヤフ、総選挙を前に「最大の危機」…元参謀総長アイゼンコートが急浮上

ガディ・アイゼンコートの写真(元イスラエル首相ヤイール・ラピッドのX、聯合ニュース)
ガディ・アイゼンコート [写真=ヤイール・ラピッド元イスラエル首相のX、聯合ニュース]
ガザ戦争で息子を失ったガディ・アイゼンコート元イスラエル軍参謀総長が、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の最大の競争相手として浮上している。10月末までに行われると予想されるイスラエル総選挙に向けて、彼が率いる中道政党ヤシャールの支持率が急上昇している。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は5日(現地時間)、「アイゼンコートの台頭がネタニヤフの再選構図を揺るがしている」と報じた。

イスラエルの公営放送の世論調査によると、ヤシャールとネタニヤフの右派リクード党はそれぞれイスラエル議会の120議席中23議席を獲得すると予想されている。首相適任調査でも、アイゼンコートは41%、ネタニヤフは40%と接戦を繰り広げている。

今回の総選挙は、2023年10月にハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃とその後のガザ・レバノン・イランとの武力衝突の後、初めて行われる全国規模の選挙である。約19年間政権を握ってきたネタニヤフは、戦争の長期化や人質問題、イラン戦の評価悪化により政治的な負担が増している。

アイゼンコートはハマスの攻撃後、ネタニヤフの戦時内閣に参加した。しかし、8ヶ月後に辞任し、「ネタニヤフが軍事作戦を過度に引き延ばし、人質の命を危険にさらしている」と批判した。

アイゼンコートの末息子ガルはガザ戦争の初期に死亡し、甥2人も戦争中に命を落とした。彼は戦争の被害を直接経験した元軍最高指揮官として、ネタニヤフとは異なるイメージを得ている。

ただし、アイゼンコートが穏健な平和主義者として分類されるわけではない。彼は2006年のレバノン戦争で適用されたイスラエルの強硬軍事戦略「ダヒヤ・ドクトリン」の設計者とされている。これは武装勢力を抑制するために都市地域に圧倒的な軍事力を行使する戦略である。

ネタニヤフにとって最大の弱点は安全保障の失敗論である。アグム研究所が6月に実施した調査では、イスラエル人の92%が「最近のイランとの戦争でイランが勝利したか利益を得た」と回答している。安全保障リーダーシップを主要な政治資産としてきたネタニヤフにとっては不利な調査結果である。

対外関係も負担である。イスラエルがガザ、シリア、レバノン接境地域に緩衝地帯を設けると発表したことで、西側同盟国との対立が深まっている。ドナルド・トランプ米大統領も過去とは異なり、ネタニヤフへの支持を明確に固定していない。

イスラエルは単独の政党が過半数を得ることが難しい多党制国家である。全議席120席の中で政府を構成するには最低61席が必要である。リクード党が23席を獲得しても、右派・宗教政党と共に61席を確保すればネタニヤフは再び政権を握ることができる。逆に、アイゼンコートら野党政党がリクードを上回るか同等の議席を得ても、野党全体が61席を集められなければ政府を構成することは難しい。

ネタニヤフはこの点を突いている。彼はアイゼンコートや他の野党指導者が過半数を作るためにはアラブ系政党の協力が必要だと攻撃している。野党が安定した連立政権を構成できなければ、ネタニヤフは暫定政府の首班として再選挙の局面を待つことができる。



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