韓国株式市場(KOSPI)の「絶対王政」が崩れた。AI(人工知能)ブームの波に乗ったSKハイニックスが、25年以上にわたり韓国証視のトップに君臨してきたサムスン電子(普通株基準)を抜き去り、時価総額第1位の座を奪取した。四半世紀ぶりとなる歴史的な「大長株(主導株)」の交代劇だ。
韓国取引所(KRX)によると、22日午後12時51分基準でSKハイニックスの時価総額は2084兆6544億ウォンを記録。同時刻のサムスン電子(2084兆1983億ウォン)を約4561億ウォン上回った。サムスン電子が2000年11月21日以降、一度も明け渡したことのなかった「王座」から転落した瞬間だった。
今回の逆転劇は、両社の株価上昇率の圧倒的な差に起因する。今年に入り、サムスン電子の株価も197.7%と驚異的な急騰を見せたが、SKハイニックスはそれを遥かに凌駕する341.9%の爆発的な上昇を記録した。
市場関係者は、この差を「ポートフォリオの集中度」によるものと分析している。SKハイニックスは高帯域幅メモリ(HBM)など、AI半導体への「選択と集中」が奏功。サムスン電子は半導体だけでなくスマートフォン、家電、ディスプレイなど広範な事業を展開しているため、昨今の半導体超強気相場の恩恵を100%株価に反映しきれなかった。
ただし、サムスン電子の優先株(時価総額約184兆ウォン)まで合算した場合、両社の実質的な総額格差は依然として維持されている。
株価をさらに押し上げた要因として、SKハイニックスの年内の「米国預託証券(ADR)上場」への期待感が挙げられる。
同社は今年3月、米証券取引委員会(SEC)に上場申請書(Form F-1)を提出している。ADR上場が実現すれば、グローバル投資家からの資金流入がさらに拡大することは確実だ。このマルチプル(企業価値評価)の再評価が、今回の逆転劇の決定打となった。
一方、この日のKOSPI市場は前日比62.13ポイント(0.69%)高の9,114.55で取引を終え、終値ベースでの史上最高値を塗り替えた。
朝方は前営業日比97.99ポイント(1.08%)安の8,954.43と、9,000大台を割り込んでスタートしたものの、半導体株を中心とした強烈な買い戻しが入り、引けにかけて上昇に転じた。コスダック(KOSDAQ)指数も前日比1.81ポイント(0.19%)高の968.40で大引けとなった。
9年間、韓国のIT・半導体産業を追ってきた記者の目から見ても、今回の事態は単なる株価の逆転以上の意味を持つ。これまで韓国市場において「サムスン電子の1位」は一種の固定観念であった。しかし、AI革命というパラダイムシフトの前では、巨大な帝国よりも、俊敏に動いたファーストムーバー(先行者)が市場の評価を勝ち取るという冷酷な現実が証明された形だ。
今後、サムスン電子が反撃に出るのか、あるいはSKハイニックスが1位の座を固めるのか。日韓のサプライチェーン全体をも揺るがす、新たな半導体戦争の幕が開いた。
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