李在明(イ・ジェミョン)大統領に対する名誉毀損の疑いで警察の捜査を受けている、モス・タン(韓国名:タン・ヒョンミョン)前国際刑事司法大使(現・米リバティ大学教授)の出国停止処分をめぐり、韓国司法は「捜査の確保」という公益を最優先する判断を下した。
ソウル行政裁判所(行政1単独・魏智鉉(ウィ・ジヒョン)部長判事)は4日、タン教授が法務部(省に相当)を相手取って申し立てていた「出国停止処分の執行停止」を棄却した。これにより、タン教授に対する今月30日までの出国停止処分はそのまま維持されることとなった。
韓米共同不正選挙監視団(Kores‑US Joint election fraud Inverstigation Team)の米側メンバーとして先月28日に韓国に入国したタン教授は、当初今月4日に米国へ出国する予定だった。
先立ってタン教授は2025年6月、米ワシントンD.C.で開かれた記者会見において、「中国が韓国の不正選挙に介入した」「李在明氏が青少年時代に強力犯罪に関与し、少年院に収監された」などの疑惑を提起。これが情報通信網法違反(名誉毀損)などの容疑に当たるとして、警察が捜査を進めていた。
事件が急展開を見せたのは先月28日だ。6月3日の地方選挙を控えたタイミングで、タン教授が「韓国の不正選挙を監視・検証する」として韓国に入国そた。ソウル警察庁は直ちに出頭を求めたが、タン教授側は不出頭事由書を提出して応じなかった。これに対し警察は今月1日、法務部に出国停止を申請し、法務部は30日までの1カ月間、同処分を下していた。
タン教授側は処分の取り消しを求める本案訴訟とともに、今回の執行停止を申し立てたが、裁判所は「個人の不利益よりも公益が勝る」として退けた。
裁判所は、タン教授の生活や仕事の拠点が米国にあり、出国停止によって「回復しがたい損害」が生じる緊急性は一部認められるとしつつも、以下のように棄却の理由を説明した。
「本処分の特性上、対象者が出国して大韓民国の主権が及ばない地域に移動した場合、事実上その意味を失うことになる。捜査が継続している状況で出国停止が解除されれば、公共の福祉に重大な影響を及ぼす恐れがある」
つまり、国家の適正な刑罰権行使という「公益」が、個人の活動の自由という「私益」に優先するという厳格な司法判断を示した形だ。一方で裁判所は、「警察の捜査が不必要に長期化してはならない」とも付け加え、迅速な捜査を促した。
司法の棄却決定を受け、タン教授の弁護団は直ちに不服を申し立てる「即時抗告状」を提出した。予断を許さない攻防が続くなか、タン教授が提起した「出国停止処分取り消し請求」の本体訴訟(本案訴訟)の第1回弁論期日は、今月10日に開かれる予定だ。
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