最近、韓国内外のインターネット企業が大型選挙を控え、偽ニュース拡散防止対策を続々と出している。社会関係網サービス(SNS、ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を提供するフェイスブックとツイッターは、米国の大統領選挙を1年後に控えて政策変更を発表し、ネイバーとダウム(Daum)は来年の総選挙を狙って操作論議が提起されたリアルタイム急上昇検索語(シルゴム・実検)改編に乗り出している。IT企業の相次ぐ政策変更は、「ソーシャルメディアが選挙を歪曲する」という批判が背景にある。
全世界約1億3000万人が利用するツイッターは、今月からすべての政治広告を禁止することを決定した。偽ニュースと嫌悪コンテンツが拡散される弊害を防ぐためだ。米ツイッターのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は先月30日(現地時間)、自分のツイッターに「ツイッターにすべての政治広告の掲載を中断することを決定した」という書き込みを掲載した。彼は政治広告を全面中断した理由について、「政治的なメッセージの伝播は、その価値で行われなければならず、金で買収されてはいけないと考えているからだ」と説明した。
ジャック・ドーシー氏は「インターネット広告は非常に強力で商業的な広告には有効的だ。しかし、その力が政治では数百万人の生活に影響を与える投票に波及し、深刻な危険をもたらす」と懸念を示した。
利用者12億人を保有しているフェイスブックは先月、偽ニュース、虚偽情報が盛り込まれた文章や写真に「虚偽情報(false information)」と表示する政策を導入した。虚偽情報であることが判明した記事は、フィルタが適用されてぼやけて処理される。大統領選挙の候補者がフェイスブックに広告をどれだけ執行したかを示す「経費追跡機」も披露する。選出職の公務員や選挙の候補とその補佐陣がハッカーの標的にならないよう、アカウントを保護する「フェイスブックプロテクト」も導入する。
韓国内の2大ポータルサイトであるネイバーとダウムも来年の第21代国会議員選挙を控えて、シルゴム(実検・リアルタイム検索語)、コメント(書き込み)政策の改編に乗り出している。
ネイバーは最近チョ・グク前法務部長官の任命過程で順位操作論議が提起されたシルゴムサービスを今月から改編する。利用者に同じシルゴムを示す既存の政策から抜け出し、年齢や関心事に応じてシルゴム順位をオーダーメイド型で示す。ネイバーは先月31日からモバイルアプリのシルゴムチャートを年齢別に異なって出てくるように変えた。
ポータルサイトのダウムを運営するカカオは最近、芸能記事の書き込みを廃止し、来年上半期には政治や選挙関連ニュースの書き込み中断も検討している。シルゴムは、災害のような重要な事件が素早く伝播するなどの順機能に焦点をあてて改編する方針であり、ニュースサービスもマスコミのサブスクリプションだけでなく、カフェやブログ、ブランチなど様々なチャンネルのコンテンツを購読して消費できるように改編する予定だ。
中央大学のソン・ドンギュ教授は「ネイバーとカカオは、去る国政監査のとき、選挙期間だけでもシルゴムと書き込みを遮断せよという要求を受けた」とし、「フェイスブックやツイッターにも米国の政策や様々な状況を注視するしかない。いくら民間企業でも選挙を控えて政界の要件事項に背を向けるのは難しいだろう」と述べた。
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