2026. 10. 09 (金)

日本公正取引委員会、アサヒ・キリンなど4社を捜索…価格談合の疑い

  • 飲料業界初の捜索…営業幹部が別々に価格引き上げ幅・時期調整の疑惑

  • 4社の市場占有率96%…飲食店「大企業が値上げすれば従わざるを得ない」

東京の地下鉄駅に掲示されたアサヒビールの広告写真[写真=AFP・聯合ニュース]
東京の地下鉄駅に掲示されたアサヒビールの広告[写真=AFP・聯合ニュース]


日本公正取引委員会は、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーなどの大手ビールメーカー4社を出荷価格の談合の疑いで捜索した。公正取引委員会が飲料業界で捜索を行うのは初めてであり、検察による刑事告発を視野に入れて実態を解明している。今月の酒税統合によりビール税が減少し、各社が出荷価格を引き下げ、新たな販促競争に入った直後のことである。

8日、日経新聞によると、日本公正取引委員会は前日、独占禁止法違反の疑いで4社の事業所などを捜索した。公正取引委員会は2006年に施行された改正独占禁止法に基づき、裁判所の令状を受けて捜索を行うことができる。これらの企業は数年前から、卸業者に供給するビールや発泡酒の出荷価格の引き上げ幅や価格変更の時期を調整していた疑いが持たれている。価格は1リットル単位の数量基準や缶・瓶などの容器ごとに調整されていたとされる。4社は調査を受けている事実を認め、「全面的に協力する」との姿勢を示した。

このような価格調整は、業界の公式な会合とは別に行われていた疑いがある。『ビール醸造組合』は4社とオリオンビールが会員の業界団体であり、毎月定例会を開き、酒税に関する政府への提言などを議論している。日経によると、この会合に参加していた4社の営業部門の課長級以上の社員は、オリオンビールの担当者を呼ばずに別々に集まっていた。定例会の後や別の日に会って出荷価格の引き上げなどを議論していたという。一部の企業では、議論の内容が上層部に報告されたとの情報もある。公正取引委員会は組合の事務所も捜索した。

4社は2022年10月と昨年4月にそれぞれ出荷価格を引き上げた。今月1日にはビール・発泡酒・第3のビールの酒税が同じ水準に統合され、4社はこれに合わせて主要製品の出荷価格を引き下げた。今回の統合までにビールにかかる税金は2020年以降、3回にわたり350mlあたり合計22.75円(約193円)減少した。日経は、小売店が販売価格を自主的に決定するにもかかわらず、各社の主力製品の価格は結果的にほぼ同じであると指摘した。ただし、価格変更の時期が同じであったり、価格水準が似ているという事実だけでは談合が証明されるわけではない。

日本のビール市場は4社が事実上支配している。全国の小売店の販売データを集計した日経POS情報によると、ビール市場の占有率はアサヒ40.6%、キリン27.0%、サッポロ17.1%、サントリー11.3%で、4社を合わせると96%に達する。日本国税庁によれば、2024年の日本国内のビール売上高は1兆1530億円、発泡酒の売上高は第3のビールを含めて4578億円で、合計で約1兆6000億円規模である。

しかし、市場規模は大きいものの、人口減少や酒を避ける傾向により販売量は減少している。発泡酒などを含むビール類の推定販売量は1994年の5億6805万箱(大瓶換算)から昨年の3億1192万箱に約45%減少した。一方、麦芽・ホップなどの原材料価格や物流費は上昇し、収益性の確保が業界共通の課題となっている。日経は、このような環境下で企業が「共滅」を避けるために競争を制限した可能性があると分析している。

ビールは製造業者から卸業者を経て、スーパーマーケット・コンビニエンスストアや飲食店などに流通する。日経は4社の出荷価格調整が小売店の販売価格や飲食店の仕入れ価格に影響を与えた場合、最終的には消費者の負担につながった可能性があると指摘している。

原材料価格の上昇を理由に価格を引き上げてきた飲食店や消費者は不満を表明している。東京港区で中華料理店を営む65歳の男性は日経に対し、「大企業が価格を上げると言えば、店は従わざるを得ない」と述べ、「今回の捜索を契機に適正な価格に戻すべきだ」と語った。値上げ後に安価なプライベートブランド(PB)製品を飲んできた東京豊島区の28歳の会社員は「気分が悪い」とし、「各社が正常な競争に戻り、価格を下げてほしい」と訴えた。一方、港区の居酒屋店長である35歳の男性は「昔から価格はどこも似ていると思っていた」とし、「疑惑があっても扱う製品は変えない」と冷静に語った。

今回の事件は調査結果により刑事処罰や過料の課徴につながる可能性がある。日経によれば、公正取引委員会の告発を受けた検察が起訴し、裁判所で有罪が確定すれば、該当企業には5億円以下の罰金が科される。談合に対する過料は違反期間中の対象商品売上高の10%が基本であり、調査開始日から最長10年前まで遡って算定される。違反事実を自ら申告すれば過料が減免されるため、各社の自発的な申告の有無も今後の焦点となる見込みである。





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