円安や歴史的な物価高に見舞われ、日本人の海外旅行のハードルが上がる中、韓国への渡航者数が驚異的なスピードで増加している。今年、海外へ旅立った日本人4人のうち1人以上が韓国を選び、その比率は過去最高の28%に達した。
韓国文化体育観光部が31日に発表した統計によると、今年1月から7月までに韓国を訪れた外国人観光客は1,280万人で、前年同期(1,056万人)に比べ21.3%増加した。このうち日本人は228万人を数え、前年同期の192万人から18.8%増加した。
日本全体の海外旅行市場の回復スピードと比較すると、韓国行きの急増ぶりが際立つ。同期間に海外へ出発した日本人は814万人で、前年同期比の伸び率は4.1%増にとどまった。
結果として、日本人海外旅行客全体における韓国の占有率は28%に急上昇。米国、台湾、タイ、ベトナムなどの競合する主要渡航先を大きく引き離し、圧倒的な首位を維持している。
日本の海外市場全体はいまだコロナ前の水準を回復しきっていない。韓国観光公社によると、昨年の日本人出国者数は1,473万人と、2019年(2,008万人)の73.4%に留まっている。こうした厳しい逆風の中、韓国だけが選ばれている背景には複数の構造的な要因がある。
まず、航空供給の拡大だ。今年7月時点における日韓間の週あたりの国際線供給座席数は34万9,000席となり、昨年末比で2.4%増加した。
また、通貨安が進行する中、他国の主要通貨と比較して対韓国ウォンの為替負担が相対的に低かったことも、旅行客の背中を押した形だ。
旅行業界のデータもこれを裏付ける。今年のゴールデンウィーク期間中、大手旅行会社JTBの国別海外旅行予約ランキングで韓国が堂々の1位を獲得。HISの都市別ランキングでもソウルが1位、さらに済州(チェジュ)と釜山(プサン)がそれぞれ5位、6位にランクインするなど、地方都市への関心も高まっている。
Kカルチャーの定着も見逃せない要素だ。K-POPやドラマブームにとどまらず、コスメ、グルメ、美容、ショッピングへと関心の裾野が広がっている。日本輸入化粧品協会によると、日本市場における韓国製化粧品のシェアは、昨年の30.8%で首位を獲得したのに続き、今年第1四半期には33.5%へとさらに上昇した。
特に、この勢いがソウル首都圏にとどまらず、地方空港にも波及している。今年1〜7月の期間中、金海(キムヘ)空港から入国した日本人は26万9,752人で前年同期比52%増を記録。さらに済州空港が60%増(2万2,048人)、清州(チョンジュ)空港が93%増(2万548人)と、地方への流入が急ピッチで進んでいる。
韓国政府はこうした動きをチャンスと捉えている。文化体育観光部と韓国観光公社は現在、地方空港と連携した地域観光商品の開発、航空便の割引適用、チャーター便の誘致などを強力に推進中だ。地方に降り立った日本人観光客をいかに地域の長期滞在や消費へと結びつけるかが、今後の最大の課題となる。
実際、インバウンド全体の国内消費額は右肩上がりだ。今年1〜7月の外国人カード消費額は12兆859億ウォンに達し、前年同期(8兆1,515億ウォン)から48.3%急増。観光客数の増加率(21.3%)を大きく上回る好調ぶりを見せている。
文化体育観光部のカン・ジョンウォン観光政策室長は、「航空座席の増便、Kカルチャーの人気、為替変動などの好条件が重なり、訪韓日本人の増加が観光市場全体の強力な原動力となっている」とし、「市場環境の変化に合わせたきめ細かなアプローチを通じ、この成長モメンタムをしっかりと維持していく」と述べた。
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