![[写真=SKハイニックス]](https://image.ajunews.com/content/image/2025/04/22/20250422143114177847.jpg)
SKハイニックスが高帯域幅メモリー(HBM)生産能力の拡大に速度を高めている中、HBMの必須製造装備である「TCボンダー」(熱圧着装備)供給網の安定化に総力を傾けているという事実が21日、明らかになった。
これは、既存の主力装備供給会社である韓米半導体との協力を強化すると同時に、新規供給会社であるハンファセミテックを通じたサプライチェーンの多角化で、急増しているHBM需要に適時に対応するという戦略と見られる。
同日、業界によると、SKハイニックスは先月、2度にわたってハンファセミテックと10台前後(420億ウォン規模)のHBM用TCボンダー供給契約を結んだ。
これまでSKハイニックスは市場の主流であり、HBM第5世代である「HBM3E 12段」の製造工程に韓米半導体装備を全量使用してきたが、ハンファセミテックを新規協力会社とし、供給網の多角化に乗り出したのだ。
これについて、韓米半導体はやや不便な様子を見せているという。
韓美半導体もベンダー(供給業者)の二元化をある程度念頭に置いていたが、突然の供給契約公示など二元化過程がスムーズではなかったという立場だ。
一部では昨年末、韓米半導体がハンファセミテックを相手に提起したTCボンダー特許権侵害訴訟など、両社間の葛藤状況も影響を及ぼしたものと見ている。
TCボンダーは人工知能(AI)半導体用HBMを製造するのに必要な核心装備だ。 HBMはDラムを複数積み上げる方式で作るが、Dラムに熱と圧力を加えて固定する工程にTCボンダーが使われる。
これを受け、韓米半導体は8年間凍結してきた従来の装備価格を約25%引き上げ、これまで無料でメンテナンスを行ってきた顧客サービス(CS)の有料化などを要請したという。
すると、SKハイニックスの経営陣は最近、仁川(インチョン)にある韓美半導体本社を訪れ、両社間の協力関係の回復に乗り出したことが明らかになった。
ただ、業界では全世界のHBM市場1位のSKハイニックスが増えるHBM需要に適時に対応するためには関連装備供給会社の二元化は避けられないと見ている。
このため、SKハイニックスは特定業者を排除したり選択する方式ではなく、既存業者とのパートナーシップを維持したまま、新しい業者との協力を模索するものと見られる。
SKハイニックスと韓米半導体は2015年、TCボンダー装備の共同開発に乗り出し、2017年に初めて韓米半導体がSKハイニックスに装備を供給するなど協力関係を続けている。
近いうちに新規TCボンダー装備の発注があると予想される中、24日、SKハイニックスの第1四半期実績発表で、TCボンダー装備供給および交渉状況に対する言及があるか関心が集まっている。
韓米半導体も同様に、顧客会社の多角化に拍車をかけている。
韓美半導体は先月31日、第1四半期の暫定実績発表で、“今年第1四半期の売上の中で、海外顧客の比重が90%を記録した”と明らかにした。 韓米半導体の中核顧客会社は、SKハイニックスをはじめとする米マイクロンだ。
現在、マイクロンはHBM3E 12段のTCボンダー全量を韓米半導体から供給されている。 今年(4月初め基準)マイクロンが確保したTCボンダー物量は昨年1年間に買い入れた物量(約30~40台)をすでに越えたことが分かった。
一方、韓米半導体は当初、今月22日に予定されていた国内主要機関投資家対象の企業説明(IR)行事を、今年第1四半期の確定実績が発表される5月中旬以降に延期した。
これは第1四半期の経営現況と中長期展望を説明し、質疑応答を受ける計画だったが、最近、SKハイニックスとの状況に関心度が集中できるということに負担を感じたものと分析される。
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