北極の氷が溶けることで、世界の海運地図が変わりつつある。政府は北極航路を新たな国家成長の軸と位置づけ、試験航行や特別法の制定、拠点港の育成を加速させている。前編では釜山港と蔚山港、浦項の影響港の準備状況と戦略を見てきたが、後編では蔚山港が北極航路時代にどのような競争力を確保すべきかを考察する。 <編集者注>
北極航路時代の蔚山港の最も現実的な競争力は既に整っている。
石油や石油化学製品を扱い、数十年にわたって蓄積された液体貨物処理の経験と貯蔵施設、配管網、精油・石油化学産業、そしてHD現代重工業を代表とする造船産業である。
ここにLNGやメタノール、アンモニアに続く次世代船舶燃料供給の経験も加わっている。政府が釜山港はコンテナ、蔚山港はエネルギーという役割分担を提案した背景もここにある。
問題は次の段階である。
北極航路を通過する船に燃料だけを供給する港に留まるのか、貨物と船舶、エネルギーと関連産業が共に動く港へと進化するのかが蔚山港の課題である。
環境に優しい船舶燃料分野で蔚山港が積み上げてきた実績は明確である。
蔚山港はメタノール船舶燃料供給の経験を蓄積しており、昨年9月には国内初のメタノール二重燃料ドライバルク船にグリーンメタノール830トンを供給した。
今年2月には自動車運搬船の荷役作業と同時にLNGを供給する商業バンカリングに成功し、4月にはアンモニア推進ガス運搬船にクリーンアンモニア600トンを供給した。
LNG、メタノール、アンモニアまで実際の船舶に供給し、次世代船舶燃料供給港としての経験を広げている。
国際海運の脱炭素転換が本格化する中、このような代替燃料供給能力は今後の港の競争力を左右する要素とされている。
変在永蔚山港湾公社社長はアンモニア供給時に「蔚山港のエネルギー基盤施設とこれまで蓄積された給油経験および能力を基に実現した事例」とし、「環境に優しい船舶燃料供給能力をさらに強化する」と述べた。
しかし、環境に優しいバンカリングだけで北極航路時代の蔚山港の未来を保証することは難しい。
蔚山港は当面、釜山港の不足しているバンカリング機能を補完できるが、釜山港も2030年を目標に独自の環境に優しいバンカリングインフラの構築を進めている。
釜山の燃料供給能力が整えば、蔚山港がバンカリングだけで差別化を続けるのは容易ではない。
したがって、蔚山港には「燃料供給」の次の段階が必要である。
その第一が貨物である。
20日、蔚山港湾公社がオランダの船社ロイヤル・バゲンボルグ、韓国海洋振興公社と締結した協定でも注目すべき点はバンカリングだけではない。
三機関は韓国と北米を往復する潜在貨物を発掘し、北極航路の運航可能性を共同で検討することにした。運航マニュアルの構築と氷上等級船舶の確保にも協力する。
今年最大4隻の北極航路通過船が蔚山港に寄港し、燃料を供給したり、貨物を荷卸しする予定である。
これについて変在永蔚山港湾公社社長は「政府の北極航路政策の実行に向けた実質的な基盤となる」とし、「国内海運業界の北極運航能力を高め、港の競争力を強化していく」と述べた。
北極を通過した船舶が蔚山港で実際に貨物を積み下ろし始めれば、単なるバンカリングを超え、北極航路の物流網に直接組み込まれる初の試金石となる。
北極航路の成否は結局、貨物にかかっている。
蔚山には精油・石油化学、非鉄金属、自動車、造船産業が港の背後に密集している。
北極圏のエネルギーと原材料を持ち込み、蔚山産業団地で生産された製品を再び輸出する双方向の物流構造が形成されれば、蔚山港は単なる寄港地を超え、供給網の一翼を担うことができる。
北西航路も注目に値する。蔚山からカナダのケベックまで北西航路を利用すると、航行距離は約1万3500㎞で、パナマ運河経由より約35%短い。
ただし、ロシア制裁や年間運航の可能性、運賃や保険料、氷破りのコスト、実際の荷主需要などの不確実性は依然として残る。
結局、どの貨物がどの国から入ってきて、蔚山産業団地のどの企業が実際の需要者となるのかを具体的に探る作業が先行しなければならない。
港の競争力は施設の規模だけでは作られない。実際に貨物を動かす荷主と船社を確保しなければ、航路が産業につながることはない。
蔚山港のもう一つの拡張軸は造船と船舶の維持・修理・整備(MRO)である。
北極航路運航船舶は一般商船よりも船体や推進システム、通信・航海装置などに高い技術が要求される。
蔚山にはHD現代重工業を中心に世界的な造船産業エコシステムが構築されている。
北極航路の船舶が蔚山で貨物を積み下ろし、燃料を供給されるだけでなく、整備や機材供給も受けられれば、一度の寄港で発生する付加価値は大きく変わる。
蔚山港湾公社も『2040ビジョン』で次世代船舶燃料供給市場の活性化とともにMRO技術に基づく北極航路開拓支援を実行課題として掲げた。
釜山の最大の資産がコンテナとトランシップネットワークであれば、蔚山はエネルギーと製造業、造船産業を持っている。
同じ『北極航路拠点港』を巡って同じ機能を競うのではなく、各港の産業基盤を中心に役割を差別化することが現実的である。
蔚山市は今年1月に『蔚山港を基盤とした北極航路時代先導専担(TF)推進団』を発足させた。
蔚山港湾公社と蔚山地方海洋水産庁、研究機関、港湾・物流業界などが参加し、北極航路と海運・エネルギー・物流をつなぐ対応戦略を策定している。
今や鍵となるのは構想を実際の事業に結びつけることである。
港湾産業関係者も「専門家による北極航路通過船舶の誘致や環境に優しい船舶燃料供給、北極圏貨物発掘、MRO・造船機材産業の連携などが具体的な事業に繋がるべきだ」とアドバイスしている。
12月には北極航路特別法が施行されると、政府支援や拠点機能を巡る港湾都市間の競争もさらに激化する見込みである。
蔚山には他の港が短期間に複製するのが難しいエネルギー貯蔵・供給網と精油・石油化学産業、世界的な造船産業が既に根付いている。
北極を往復する船舶が蔚山で燃料を補給し、貨物を荷下ろし・積み込み、整備や機材サービスを受けた後、再び海に出る構造を作ることが蔚山港が描く北極航路戦略の核心である。
北極航路の機会は海の上だけにあるのではない。蔚山が既に持っている産業をどのように結びつけるかにその答えがある。
* この記事はAIによって翻訳されました。
