尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領とスロバキアのロベルト・フィツォ首相は両国間の「戦略的パートナー関係」の樹立に合意し、経済・安保の全方位分野で協力していくことにした。スロバキアは韓国政府の「大胆な構想」と「8・15統一ドクトリン」など対北朝鮮政策に対する支持も表明した。
大統領室は30日、尹大統領が公式訪韓したロベルト・フィツォ首相と龍山（ヨンサン）大統領室で首脳会談を開き、このような内容を骨子とする共同声明を採択したと発表した。
貿易・投資分野で「貿易投資促進フレームワーク（TIPF）樹立了解覚書（MOU）」を締結し、貿易・投資、産業、サプライチェーンなどの協力を強化し、韓国企業のスロバキア市場進出拡大のための協力の枠組みを作った。
韓国とスロバキアの両国の交易額は、2021年に35億ドル、2022年に36億5900万ドル、 2023年は39億500万ドルと毎年増加している。主な輸出品は自動車部品、ポンプ、電源装置などで、輸入品は乗用車、自動車部品などである。サムスン電子、起亜自動車をはじめとする韓国企業143社が自動車と家電分野を中心にスロバキアに進出している。
エネルギー・科学技術分野では「包括的エネルギー協力MOU」を通じて多様な無炭素エネルギー協力強化に対する意志を確認し、人工知能（AI）など先端技術分野で相互協力が可能な分野を模索することにした。
国防・防衛産業分野では既存の協力MOUを基盤にサイバー安保など新安保分野の協力パートナーシップを拡大することで合意した。
また、社会・文化・人的交流分野の協力を拡大していくことにした。韓国-スロバキアワーキングホリデー協定締結のための努力を続け、両国の青年世代間交流推進を支援する計画だ。
尹大統領は今回の会談を通じて、韓国の対北朝鮮政策に対するスロバキアの支持を確保し、国際舞台で両国の協力を強化することにした。
大統領室は、両国が北朝鮮の情勢不安定行為とロ朝軍事協力に対する強い憂慮を共有し、△北朝鮮の完全な非核化 △北朝鮮人権増進 △拉致被害者、抑留者、米ソンファン国軍捕虜問題解決のための協力に合意したと伝えた。
また、ウクライナ戦争による人道的状況の悪化に対する憂慮を共有し、ウクライナに対する人道的支援と再建復旧関連の相互協力の意志を確認した。
スロバキアは韓国政府の「大胆な構想」と「8・15統一ドクトリン」に対する支持を表明した。
スロバキアはアジア諸国の中では韓国と初めて戦略的パートナー関係を樹立し、今回の関係格上げで韓国はビセグラードグループ4カ国（スロバキア・チェコ・ポーランド・ハンガリー）全体と戦略的パートナー関係を樹立する成果を上げたと大統領室は説明した。
フィツォ首相は2007年、首相在任当時に訪韓して以来、17年ぶりに再び訪韓した。スロバキア首脳の公式訪韓は、2018年のキスカ大統領以来6年ぶりだ。
尹大統領は昨年7月、北大西洋条約機構（NATO）首脳会議を機に、スロバキアのズザナ・チャプトヴァー大統領と略式会談を行っている。
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