![[写真=SK on]](https://image.ajunews.com/content/image/2023/08/31/20230831162954860662.jpg)
SK onが世界最高水準のリチウムイオン伝導度を持つ酸化物系の新固体電解質共同開発に成功した。 リチウムイオン伝導度は電解質内のリチウムイオンの移動速度だ。 速度が速いほどバッテリー出力が大きくなり、高速で充電される。 今回の開発で、全固体バッテリー競争力が一層高まるものと期待される。
SK onは31日、檀国(タングク)大学校・新素材工学科のパク·ヒジョン教授研究チームと共同開発した酸化物系の固体電解質関連研究結果が世界的に著名な学術誌である「Advanced Functional Materials 」表紙論文に掲載されたと明らかにした。 SK onと檀国大学の共同研究チームは、該当技術に対して国内外特許出願も完了した。
この固体電解質はリチウムイオン伝導度を大きく高め、大気安定性まで確保した。 SK on-檀国大学研究チームは酸化物系の固体電解質素材であるLi-La-Zr-O(リチウム-ランタナム-ジルコニウム-酸素·LLZO)の添加物質調整を通じ、リチウムイオン伝導度を従来より70%改善(1.7mS/cm·センチ当たりミリジーメンス)し、世界最高水準に高めた。
また、リチウムイオン伝導度が高くなると安定性が落ちるが、SK on-檀国大学研究チームはこれをLLZOの微細構造を均一に制御する技術で克服した。 固体電解質は通常、水分(H2O)と二酸化炭素(CO2)に脆弱で、長時間大気に露出すれば、電解質としての機能が落ちるが、この固体電解質は非常に優秀な安定性を示した。
酸化物系の固体電解質は硫化物系に比べてイオン伝導度が低いが、化学的安定性に優れ、陽極物質との反応性が少なく、リチウムデンドライト現象を抑制することができ、黒鉛陰極を高容量のリチウムメタルに代替できる。
バッテリー容量も大幅に増やすことができる。 特に、液体電解質を使ったリチウムイオンバッテリー(LiB)の最大使用電圧は最大4.3ボルト(V)だが、酸化物系の固体電解質を使う場合、最大5.5Vまで増える。 これをバッテリー製作に適用する場合、理論的にはバッテリー容量を最大25%増やすことも可能だ。
この固体電解質は現在、NCM陽極材を基盤とする全固体バッテリーの他にも、次世代バッテリーに挙げられるリチウム-硫黄バッテリーとリチウム-空気バッテリーを全固体化できる素材としても活用できる。 現在開発中のリチウム-硫黄、リチウム-空気バッテリーはLiBのように液体電解質を使用するが、この固体電解質を適用し、全固体電池に作れるものと期待される。
また、SK onが開発中の高分子-酸化物複合全固体バッテリーにも適用可能だ。 酸化物系の固体電解質は高分子系より機械的性質が優秀で、デンドライト現象を抑制するなど、従来の高分子全固体バッテリーの限界を克服できるためだ。
これを次世代バッテリーに適用すれば、火災安全性と長距離走行の可能性の両方を満たすことができるようになる。
一方、SK onは高分子-酸化物複合系と硫化物系の2種類の全固体バッテリーを開発している。 両種類とも2026年、初期段階の試作品を生産し、2028年に商用化することを目標としている。
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