韓国の賃金引上げ率が時差を置いて物価に影響を及ぼすという分析が出た。特に人件費比重が高い個人サービス部門を中心に物価に反映されるという。賃金ショックに対する物価反応は最近のような高インフレ局面に深化され、これに対する先制的な対応が必要だという提言が出た。
25日、韓国銀行調査局は「韓国の物価-賃金関係点検」BOKイシューノートを通じて「最近物価上昇傾向が急速に拡大したうえ賃金上昇率も高まり、賃金と物価間の相互作用に対する憂慮が提起されている」とし、「物価と賃金間には時差を置いて互いに影響をやりとりする相互作用が存在する」と明らかにした。
報告書によると、韓銀は物価と賃金の間に長期均衡関係が存在すると判断した。物価と賃金の動きが短期的には乖離することもありうるが、長期的には二つの変数間に安定的な関係が維持されるということだ。特に最近年度の物価上昇率が前年度の賃金上昇率と高い相関関係を見せていると評価した。韓銀の関係者は「賃金上昇は人件費比重が高い個人サービス部門を中心に時差を置いて物価に反映される」と説明した。
韓銀は20年間の資料を分析した結果を基に、賃金が物価ショックに有意に反応するという分析も出した。ただし、これは全体消費者物価上昇率ではなく、個人サービス物価上昇率反応に限定されたと評価された。
物価と賃金間の関係は特に物価急騰基調(高インフレ)局面で明確に現れていると評価された。最近20年に比べて物価と賃金上昇率が高かった1990年代を対象に分析した結果、賃金ショックに対する物価反応が確認されたということだ。韓銀は「賃金ショックに対する物価の反応は低インフレ局面に比べ高インフレ局面で大きく現れた」と明らかにした。
このように物価と賃金間の相関関係は李昌鏞(イ・チャンヨン)韓銀総裁も言及したことがある。李総裁は先月「物価安定目標の運営状況点検」記者懇談会で「期待インフレが不安になる場合は物価が賃金を刺激し、これは再び物価上昇につながる賃金-物価間相互作用が強化されかねない」とし、「エネルギーと食料品は経済主体の体感度が高く期待に及ぼす影響が大きいという点で留意する必要がある」と指摘した。
これに対し韓銀の関係者は「最近のように物価上昇傾向が高まった状況で期待インフレ不安にともなう物価と賃金間の相互作用が強化される場合、高物価が固定化する恐れがある」とし、「これを先制的に防止するためには積極的な政策対応を通じてインフレ期待心理拡散を抑制しなければならない」と強調した。
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