第1次政権時の2007年にも体調が悪化して退陣した安倍晋三首相が28日、再び辞意を表明した。
この日午後5時、記者会見を開いた安倍首相は、持病の潰瘍性大腸炎が悪化した理由で治療に専念すると明らかにした。今月2度目となった慶応大病院通院の日から4日後の28日、政権幹部らに辞意を伝え、正式に辞任を表明したのだ。
安倍首相は辞任を決断した経緯について「月曜日(24日)にそういう(辞任の)判断をした」とし、「秋から冬に向けてのコロナ対策のとりまとめをしなければならない。そして実行のめどを立てる、それが今日の日となった」と明らかにした。
安倍首相はまず、「コロナ対策と並んで、一時の空白も許されないのが我が国を取り巻く厳しい安全保障環境への対応だ」と説明した。また、9月までにまとめる予定の新たな安全保障戦略についても言及した。特に「北朝鮮は弾道ミサイル能力を大きく向上させている。これに対し、迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことができるのか」と強調した。続けて26日の国家安全保障会議(NSS)で「現下の厳しい安全保障環境を踏まえ、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針を協議した」とし「今後すみやかに与党調整に入り、その具体化を進める」と述べた。
IT化の遅れの原因や政権の私物化に対する国民の批判があるという記者たちの質問については「IT分野の問題点、課題が明らかになった。反省点だ」と認め、次の首相に期待するとした。また 「私は私物化したというつもりはまったくない」と政権の私物化を強く否定し、「説明ぶりについては反省すべき点もあるかもしれない。誤解を受けたのであれば反省したいと思うが、私物化したことはない」と重ねて強調した。
一方、後継者を問われた安倍首相は、具体的な名前を挙げることは避けた。報道陣が有力候補ではないかと具体名を挙げて尋ねた3人(岸田文雄政調会長・石破茂元幹事長・菅義偉官房長官)については「それぞれ有望な方々」とコメントし、「政策を競い合う中において、素晴らしい方が決まっていくのだろう」と語った。
次の首相は誰なのか注目が集まる中、歴代最長を記録した長期政権が幕を閉じることとなった。
亜洲日報の記事等を無断で複製、公衆送信 、翻案、配布することは禁じられています。