2026. 11. 09 (月)

再開発の「住民」とは誰か

「ところで、意向書はいつ、どのように出されたのですか?私は何も知りません。」

先日、ある都市公営住宅複合事業の住民説明会が終了した後、会場を出る際に一人の高齢者が警備員にこう話しかけた。この日の説明会では、事業推進を巡って賛否が対立していた。誰かは開発を期待し、誰かは財産権や生計を心配していた。しかし、高齢者の質問は賛否の前にあった。自分の地域が開発候補地に選ばれるまで、意向書がいつ、どのように集められたのかすら知らないということだった。

都市複合事業は、住民の自発的な参加によって事業を発掘するという趣旨を持つ。国土交通省は今回の候補地選定過程で、住民の意向率が30%を超える場所に対して、その評価項目の満点を与えた。老朽度や事業性なども評価対象だったが、住民の事業推進意志が重要な選定基準として作用したことになる。ただし、ここには区別すべき二つの文があります。「住民が望んで開発を推進する」ということと「開発を望む住民が集まって事業を提案した」ということです。前者は地域社会の合意を連想させるが、後者は一部の住民の推進意志を意味する。

この違いが曖昧になると、「住民提案」が全体の地域社会の意思のように受け取られる可能性がある。開発に積極的な所有者たちが意向書を集めた事実は、彼らの意志を示す根拠であり、残りの住民の賛否を説明する資料ではない。住民提案は事業検討の出発点であり、地域社会が結論を出したという証明書ではないということだ。

問題は、公的機関がその提案を受け入れた後にある。韓国土地住宅公社(LH)は、今回の説明会に関連して、現段階で土地所有者を正確に把握するのが難しいため、事業推進委員会に日程を共有したと説明した。また、横断幕の掲示などで案内を行ったとも付け加えた。現場では、案内文書を受け取った住民と受け取っていない住民の話が食い違っていた。個別の所有者を一つ一つ確認するには、行政実務上の困難があるかもしれない。しかし、案内手続きを経たという事実だけで情報伝達の盲点が解消されたとは言えない。

事業をいつ知ったかによって、住民が直面する現実も異なる。事業を先に提案した住民は、意向書を集める過程から推進経過を知ることができるが、遅れて情報を得た住民は、事業が公的手続きに入った後に初めて対応策を考えなければならない。自分の財産が事業に含まれるのか、今後どのような手続きが残っているのか、賛否の意志をいつ、どのように示すべきかを確認しなければならない。

もちろん、候補地選定が事業確定を意味するわけではない。その後も住民の意見聴取や法的同意手続きが残っている。その手続きが整っているという理由だけで、初期の情報格差を軽視することはできない。候補地選定は、一部の住民の開発構想が政府の公式な検討対象となったことを意味する。事業を提案していない住民にとっても、自分の財産や生活に影響を及ぼす現実的な問題となる。

それでは、公的機関の役割は意向率を確認することだけでは済まない。住民提案がどれほど広く知られているのか、情報を得ていない住民はいないかを確認する必要がある。住民提案制度は民間の自発性を活用する方法であり、事業の出発過程を説明する責任を民間に委ねる制度ではないからだ。

説明会場を出る際の高齢者の質問は単純だった。自分の地域で進められる開発がどこで、どのように始まったのかということ。住民提案から始まった事業であれば、公的機関が答えるべき点もここにある。開発を望む住民の声だけでなく、その過程がどのように行われたのかを知らなかった住民の声にも耳を傾ける必要がある。再開発の「住民」は、まず開発を提案した人々だけではないのだから。

張宣雅 建設不動産部記者
張宣雅 建設不動産部記者




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