2026. 10. 03 (土)

無カンチャイの静かな贅沢、ガリヤリゾートでの旅

  • モン族の地に溶け込むバンヤン「ウェルネスリゾート」

  • スイート・ヴィラなど110室の小さな村のような佇まい

  • ヨガ・瞑想・トレッキングに料理教室まで多彩

  • 竹林・モン族の家を巡るバイクツアー

ガリヤ無カンチャイロビー全景
ガリヤ無カンチャイロビー全景 [写真=記者]

酔い止めの薬を飲み、耳の後ろには酔い止めパッチを貼った。ハノイのノイバイ空港からベトナム北部の山岳地帯、無カンチャイまでは車で6時間。曲がりくねった山道を長時間走るという話に、出発前から不安でいっぱいだった。実際、旅の半分は眠りに落ちていた。目を開けたり閉じたりする間に、窓の外の景色をしっかり見ることもできなかった。

「ガリヤ無カンチャイ」に到着したのは午後6時を過ぎていた。純粋な移動時間は5時間50分。数回の休憩を含めると、ほぼ7時間を道の上で過ごした。長い山道を無事に越えた安堵感からか、荷物を解くとすぐに夢の世界に引き込まれた。

翌朝、カーテンを開けると、前日見逃した風景が一気に押し寄せてきた。山の斜面に沿って棚田が階段状に広がり、その向こうには山の稜線が重なり合っていた。まだ眠気が残る中、しばらく窓辺に立っていた。昨日、車の中で眠りながら通り過ぎた風景はこんなものだったのか。長い山道の終わりで迎えた朝に、なんとなく心が躍った。

無カンチャイは、モン族(H'mong)が代々山の斜面を耕して作った高地である。5〜6月には水をためた田んぼが空と山を映し、7〜8月には濃い緑に覆われるこの棚田は、2007年にベトナムの国家名勝地に指定され、2019年には国家特別遺産に昇格した。稲が実る9〜10月には、山の斜面全体が黄金色に変わる。無カンチャイの「ゴールドシーズン」である。

まだ心を固く持たなければたどり着けない場所だが、アクセスは少しずつ短くなっている。今年の年末には高速道路の接続工事が完了し、ハノイから無カンチャイまでの移動時間が4時間程度に短縮される見込みである。
 
ガリヤ無カンチャイ客室からの景色
ガリヤ無カンチャイ客室からの景色 [写真=記者]

◆山の斜面に村を構えた…ガリヤの「静かな贅沢」

ティンパン総支配人に、この場所が語る贅沢とは何かを尋ねた。彼は「クワイエット・ラグジュアリー(Quiet Luxury)」を強調した。

「贅沢は目に見える華やかさではありません。よく休み、再びバランスを取り、より健康な生活に戻ることです。今の贅沢は一層静かになりました。」

6時間をかけて山の中に入った旅行者の耳には、これが「余裕」という言葉に聞こえた。時間を細かく使わず、1日を自分のペースで過ごすことだ。

ガリヤ無カンチャイは、バンヤングループのウェルネスブランド「ガリヤ」がベトナムに初めて展開したリゾートである。大きな建物を一つ建てるのではなく、客室と施設を山と田んぼの起伏に沿って点在させた。客室・スイート・ヴィラを合わせて110室。遠くから見ると、山の斜面に小さな村ができたような形である。

その中心には竹のロビーがある。入る瞬間、思わず首が反り返る。太い竹が高くそびえ、互いに絡み合いながら曲線を描き、その隙間から日差しと風が通り抜ける。

この姿を整えるまでに7年余りかかったという。その言葉を聞いて、再び天井を見上げた。最初はただ素晴らしいと思ったが、曲げて編み上げた竹が一つ一つ新たに目に入った。

客室には竹とモン族の伝統的な布の色と模様が取り入れられている。それでも目が最も長く留まるのは窓の外である。バルコニーのドアを開けると、棚田の向こうに山の稜線が重なり合っている。しばらく見つめても、なかなか目が離れない風景である。
 
宿泊客が朝の瞑想プログラムに参加している
宿泊客が朝の瞑想プログラムに参加している。 [写真=記者]

リゾートでは多様なウェルネスプログラムを楽しむことができる。ヨガ・瞑想・気功・トレッキングに加え、ベトナム語や料理教室も用意されている。チェックイン時から、身体と心の状態を尋ねられる。目を引いた言葉は「グラウンディッドネス(Groundedness)」。今、足を踏み入れている場所で自分の身体と心を見つめる感覚を意味する。

携帯電話を置き、都市の騒音からも少し離れる。何もしない時間が長くなる。ソウルであればもったいない時間だが、ここではこの過程が重要な日程である。何もしない贅沢が妙に心に染み込んだ。

ティンパン総支配人が特に力を入れているのは睡眠である。ニューロアコースティック音楽と睡眠状態のモニタリング、赤色光などをハイドロセラピーと連携させている。ハイドロセラピーは温冷浴、レインミストシャワー、赤外線サウナ、ハーブスチームルームなどを経る13段階で構成されている。熱いお湯に身体を温めた後、冷水で冷やし、再び休む。何度か繰り返すうちに、山道で固まっていた身体もようやくほぐれた。
 
旅行者が恐竜の背骨展望台に立ち、無カンチャイの棚田を楽しんでいる
旅行者が恐竜の背骨展望台に立ち、無カンチャイの棚田を楽しんでいる。 [写真=記者]

◆バイクで山の奥へ…モン族の生活を体験する

翌日、リゾートの外に出た。恐竜の背骨展望台から竹林、モン族のトウモロコシの家を経てホースシューヒルまでを巡る終日ツアーである。この日の移動手段はバイクだった。初めての体験で、ガイドの後ろに乗る瞬間、期待と恐怖が交錯した。

道は思ったよりも荒れていた。凹んだ場所を通るたびに身体が揺れ、下り坂では腕と太ももに自然と力が入った。カーブを曲がるたびにガイドに合わせて身体を傾けた。緊張していたのも束の間、すぐに楽しさが増してきた。

土埃が舞い上がり、風が頬を叩いた。車窓の外であれば通り過ぎてしまったであろう斜面の家や畑、道端の人々が一つ一つ目に入ってきた。
 
モン族のトウモロコシの家には収穫したトウモロコシがたくさんぶら下がっている。このトウモロコシは主に家畜の餌として利用される。
モン族のトウモロコシの家には収穫したトウモロコシがたくさんぶら下がっている。このトウモロコシは主に家畜の餌として利用される。 [写真=記者]

まるで恐竜の背骨のように伸びた稜線を越え、竹林を通り、モン族の家へ向かった。バイクに乗り降りした回数は数え切れなかった。

収穫したトウモロコシでいっぱいのモン族の家には、軒先や壁にトウモロコシがぎっしりと詰まっていた。山で収穫したものを干して保存している様子がそのまま見えた。一方に座り、窓の外に広がる棚田を眺めながらモン族の家庭料理を食べた。料理は素朴だったが、かなり整っていた。

遠くから見るとただ美しいだけだった棚田も、近くに来てみるとその風景の中に人々の生活があった。急な斜面を登り降りしながら田んぼを耕し、生活してきたモン族の生活があった。
 
モン族の家では、布の染色前に蜜蝋を溶かすモン族の姿を見ることができる。
モン族の家では、布の染色前に蜜蝋を溶かすモン族の姿を見ることができる。 [写真=記者]

午後にはモン族の伝統的な蜜蝋絵を直接学んだ。布の上に蜜蝋で模様を描く方法である。見た目は簡単そうだったが、実際にやってみると全く違った。ためらうと蜜蝋が固まり、急ぐと線が歪んだ。現地の人の指先ではスムーズに流れていた線が、私の手にかかると途切れてしまった。実際にやってみて、記念品店で無関心に通り過ぎたモン族の布の模様が新たに見えてきた。


再びバイクに乗り、ツアーの最後の目的地であるホースシューヒルへ向かった。馬の蹄のように曲がった棚田が山の腰に沿ってうねり、その後ろには山の稜線が重なり合っていた。カメラを持って何度もその場に留まった。

無カンチャイでは時間を惜しむことは難しい。半日かけて到着し、再び1日を使って山の奥に入る。気に入った風景の前ではしばらく立ち尽くしてしまう。日程を詰め込んでも、山道はなかなかその速度を許さない。
 
ガリヤ無カンチャイロビー横のテラスで、旅行者が外の風景をカメラに収めている
ガリヤ無カンチャイロビー横のテラスで、旅行者が外の風景をカメラに収めている。 [写真=記者]

◆無カンチャイを後にして…再び6時間

出発の日は早朝から慌ただしかった。まだ夜明け前、荷物をまとめてリゾートを出た。周囲は薄暗く、山は黒い輪郭をかろうじて浮かび上がらせていた。そうして再び6時間の山道に乗り出した。

来た時とは違い、心はずっとゆったりしていた。今回も眠りながら目を覚ますことを繰り返したが、目を開けるとまず窓の外を探した。暗闇が晴れ、明るくなると、山の斜面の棚田も一つまた一つと姿を現した。来る時は酔うのではないかと目を閉じて早く通り過ぎることだけを願っていた道だった。帰る日には、曲がるたびに遠ざかる風景が名残惜しかった。

振り返ってみると、無カンチャイでは急いでできることはほとんどなかった。山道をしばらく進まなければ次の風景が現れず、バイクに乗ってさらに深く入らなければ村や人々に出会えなかった。蜜蝋の線一本も急ぐと歪んでしまった。最初はその遅さにいら立ちを覚えたが、いつの間にか私もその速度に合わせていた。

訪れてから1ヶ月近くが経った。酔い止め薬にパッチまで貼って耐えた6時間はもうぼやけている。しかし不思議なことに、その道の終わりで出会ったものは時間が経つにつれて鮮明になっていく。

カーテンを開けた最初の朝、目の前に押し寄せてきた棚田と重なり合う山々、バイクの後ろ座席で受けた風、そして竹の隙間から差し込む日差しまで。写真アルバムを再びめくることなく、今でも鮮明である。

無カンチャイを去ったのは1ヶ月前だ。しかし心の片隅はまだその山道のどこかに留まっているのかもしれない。
 
ガリヤ無カンチャイメインプール全景
ガリヤ無カンチャイメインプール全景 [写真=記者]

ガリヤ無カンチャイメインプール全景
ガリヤ無カンチャイメインプール全景 [写真=記者]

シンギングボウル瞑想後、シンギングボウルを扱う宿泊客
シンギングボウル瞑想後、シンギングボウルを扱う宿泊客 [写真=記者]

ホースシューヒルを訪れた旅行者が写真撮影のためにポーズをとっている
ホースシューヒルを訪れた旅行者が写真撮影のためにポーズをとっている。 [写真=記者]




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