2026. 08. 29 (土)

ヒマラヤを襲った気候危機、ネパールだけの問題ではない

ネパールの兵士が洪水で被害を受けた村を捜索している様子
ネパールの兵士が27日(現地時間)にヌワコット地域で洪水による被害を受けた村を警備犬と共に捜索している様子。[写真=AP・聯合ニュース]


ヒマラヤ山脈の山裾が悲惨に崩れ落ちた。26日(現地時間)、ネパールとチベットの国境地帯で発生したヒマラヤ山脈の「氷河崩壊」による土砂崩れと洪水は、現在までに数百人の命を奪い、1400人以上の行方不明者を残した。ヒマラヤ山脈で巨大な氷河が崩壊し、土砂が流れ込むことで川が氾濫し、瞬く間に村を覆った。

地球温暖化の影響で、数千年にわたり岩石と氷河を結びつけてきた永久凍土層が弱まり、その上にあった氷河自体が丸ごと崩れる新たなタイプの災害が現れている。「永久」という名前が無意味になったと言える。最近、この国境地帯で同様の氷河崩壊が繰り返し発生していることは、気候変動が背景変数を超え、もはや常態となっていることを示している。

今回の事故は早期警報システムの限界も浮き彫りにした。ネパールは氷河湖の水位を監視するセンサー網を運営していたが、土砂崩れと氷河崩壊が結びついて瞬時に襲いかかる急流型災害には無力であった。危険を予測し備えるシステム自体が、新たに現れる災害タイプに追いつけなかったのだ。精緻なシステムも想像を超えた災害の前では無力であることを、ネパールは高い代償を払って確認させられた。

このような気候危機はヒマラヤから離れた韓国でも例外ではない。2021年のグリーンピースの分析によれば、温室効果ガスの排出が現在のペースで続く場合、2030年までに韓半島の国土の5%以上が水没し、332万人が浸水被害を受けると推定されている。特に、京畿道や仁川などの西海岸の人口密集地域の被害が大きいと予想され、仁川国際空港は完全水没の可能性も指摘されている。忠南の唐津や全北の群山・金堤など西海岸の低地は標高が低く、台風の高潮に脆弱であり、危険がさらに大きい。

アジアの7つの都市だけでも2030年までに7240億ドルの経済的損失が予想され、ソウルの被害額も数兆ウォンに達すると推定されている。最近数年間に繰り返された局地的集中豪雨や半地下の浸水、都市河川の氾濫、猛暑などの状況は、気候危機が遠い未来のシナリオではなく、すでに進行中の現実であることを示している。我々はわずか2週間前に、慶南地域で「200年に一度の豪雨」を経験したばかりである。気候危機はもはや南太平洋の島国やヒマラヤの山間の村だけの問題ではなく、我々が日常的に通るソウルや仁川の道路の下まで侵入している脅威である。

したがって、ネパールとチベットで発生した自然災害を遠い国の話として片付けてはいけない。気象異常による自然災害は、我々が監視することに決めた危険だけを選んでやってくるわけではない。したがって、土砂崩れの脆弱地域の精密調査とリアルタイム計測網の拡充、空港・港湾・発電所などの国家基幹施設の海面上昇対応設計基準の再点検、既存のマニュアル外の複合災害シナリオを含む警報システムが必要である。

気候変動時代の災害は、従来の経験を超えた場所で、従来のマニュアルが想定できなかった方法で現れる可能性が高まっている。そうであれば、必要なのは過去の災害に対するより精緻な備えではなく、過去には存在しなかった災害を想像する能力である。ヒマラヤの山裾が崩れたのはネパールの問題だが、「まさか」という考えを打ち砕くべきなのは我々自身である。





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