韓国のIT大手カカオの労使対立が泥沼化の様相を呈している。創業以来初となる労働組合のストライキが決行されたのに続き、今月29日にはさらに規模を拡大した「2次スト」が予告された。急成長を遂げてきた韓国テ크企業の象徴が、今や構造調整と分配をめぐる深刻な内紛に直面している。
全国化学繊維食品産業労働組合カカオ支部(以下、労組)は10日午前、京畿道城南市のパンギョ(板橋)カカオアジト前で初のストライキ集会を開催した。この日、労組員らは午前10時から午後3時までの4時間、社内システムから一斉にログアウトする形で実力行使に出た。集会にはカカオ本社だけでなく、カカオペイ、カカオエンタープライズなどの主要子会社5社から計1500人余り(労組推算)が参加。「雇用安定の勝ち取り」や「無責任な経営陣の退陣」を叫び、パンギョ駅周辺を行進した。
9年間にわたり市場を見てきた記者の視点から言えば、今回の事態は単なる賃金交渉の決裂ではなく、「成長の恩恵をどう分配するか」をめぐる根深い不信感の表れである。労使が激しく対立している核心的な争点は、「報酬体系」と「雇用の不確実性」だ。
労組側は、営業利益の約13〜14%に相当する1000万ウォンの成果給に加え、500万ウォン相当の譲渡制限付自社株(RSU)の別途支給を要求している。ここ数年、カカオは急速な事業拡張の反動で、子会社の売却や分社化、構造調整を進めてきた。労組側はこれによる「雇用の不安定化」を激しく批判し、共同交渉体制の構築を求めている。
これに対し経営陣は、「現在の不透明な対内外の経営環境を考慮すると、労組の過度な要求をすべて受け入れるのは経営を圧迫しかねない」と一歩も引かない構えだ。中央労働委員会の調停が不成立に終わった後も水面下の交渉は続いているが、両者の溝は埋まっていない。
幸いにも、今回のストによる「カカオトーク」や「カカオマップ」といった国民的サービスの障害は発生しなかった。カカオ側が科学技術情報通信部(省庁に相当)と連携し、必須要員を中心とした緊急対応体制を敷いたためだ。
しかし、真の岐路は今月29日に予定されている2次ストだ。ソ・スンウク労組支部長は「29日に追加ストを進行する」とした上で、「終日ストや全面スト(総スト)にするかなど、具体的な方式は議論中」と言及した。システム障害への対応が遅れ、業務に実質的な支障が出る可能性も示唆している。
さらに労組側は、最近退任したホン・ミンテク前最高プロダクト責任者(CPO)をめぐる疑惑について、「経営陣が会社を去ったからといって調査を中断してはならない」と、経営透明性の確保を強く迫っている。
カカオは「対話は継続する」との立場崩していないが、29日の追加ストが現実となれば、企業イメージへの打撃とブランド価値の下落は避けられない。
これまで「自由なベンチャー精神」を武器に成長してきたカカオだが、今や巨大企業としての「社会的責任」と「内部の労働リスク管理」という、成熟期特有の痛みに直面している。労使双方が劇的な妥協点を見出せない限り、カカオの経営不確実性は下半期も続く見通しだ。
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