2026. 05. 22 (金)

モルタの実験「全国民無料AI」

  • ブロックチェーンは失敗したがAI時代への準備、デジタル転換が唯一の生存手段

  • 懸念の多い「ソバーリンAI」政策、政府も政策失敗を恐れず挑戦すべき

オープンAIの人工知能モデル 'GPT-5.5'
オープンAIの人工知能(AI)モデル 'GPT-5.5'[写真=オープンAI]

地中海の小さな島国モルタがオープンAIと協力し、約54万人の全ての国民に1年間「チャットGPTプラス」を無料で提供することを決定した。観光以外に特に収入源がないモルタ政府の苦悩が感じられる。島の至る所に残る中世の痕跡だけでは「AI時代」に生き残ることは不可能だと考えたのだろう。そこで選ばれたのが国民全体のAI能力の強化である。

イタリアの最南端、シチリア島を越えた地中海の真ん中にモルタが位置する。公用語はモルタ語だが、大半は英語を使用する。かつてはヨーロッパ旅行に適した語学留学地として人気があった。国土は狭く、ほとんど雨が降らないため農業は困難である。島国らしく、マグロの養殖が主要産業だが、国内総生産(GDP)の1%程度に過ぎない。観光が唯一の収入源である。

ギリシャのロドス島でオスマン帝国に敗れた聖ヨハネ騎士団(十字軍)は、ヨーロッパをさまよっていた。行くところのない彼らのために、教皇クレメンス7世は毎年1匹の羊を捧げる条件で神聖ローマ帝国皇帝カール5世を説得し、モルタを与えた。

定住地を得た騎士団はキリスト教世界の守護者を自称し、異教徒のアラブ人を対象に海賊行為を行った。オスマン帝国は4万人の軍を動員して征伐に乗り出したが、500人余りの騎士団と民兵だけで彼らを阻止した。騎士団の勝利が今日のモルタを作り上げた。キリスト教を守った騎士団にはヨーロッパ各地からの支援が寄せられ、城壁や要塞が築かれ、華やかな建物が島全体を飾ることとなった。

現在もモルタはヨーロッパの主要なリゾート地の一つである。小さな島に密集して建てられたバロック様式の建物や聖堂は中世の時代を体感したい人々を引き寄せる。しかし、全国民の80%がサービス業に従事しているため、経済全体のリスクが大きい。

観光以外に特に産業がないモルタ政府が選んだ解決策はデジタル転換である。国民数が少ないため可能なことではあるが、全国民に有料AIサービスを1年間無償で提供する国はモルタが初めてである。サービスを無償で利用するためには、政府のAI教育課程を修了する必要がある。人材不足の解決とAIによる倫理を国民に理解させるため、行政効率を最大限に引き上げたとの評価がある。

全国民がAIを自由に活用できるようになれば、どのようなことが起こるのだろうか。電子産業や重工業は存在しないが、AI時代に新たなデジタル機会をつかむ人々が増えるだろう。

モルタのデジタル実験は初めてではない。数年前、モルタは「ブロックチェーンの島」を標榜し、画期的な仮想資産法を通過させた。世界最大の仮想通貨取引所バイナンスをはじめ、グローバル資本がモルタに集まった。当時、制度の定着のためにモルタは2年間規制を猶予したが、これが罠となった。検証されていない詐欺勢力や不良企業が横行し、国家の信用度までも低下した。

国家信用度の低下に伴い、猶予していた規制が始まると、取引所やグローバル企業はモルタを去った。単に利益を吸い取って去った形である。モルタ政府は沈むのではなく、国家全体を「AI実験室」にすることを決定した。過去であればAIスタートアップを誘致するために規制緩和に乗り出したが、今回はAIを国家レベルで内在化する実用的な生存戦略を選んだ。失敗から学び、学んだことを基に基本的な体力を養う決定である。

モルタが海外の先進技術を迅速に輸入しインフラとして整備する「需要者型試験場」であるのに対し、我が国は「ソバーリンAI」能力構築に取り組む「供給者型」国家である。技術依存を避け、データ主権を守るためである。半導体、電子、重工業の能力を通じてフィジカルAIまで足を広げるAI競争力を備えている。

競争力に対して道のりは遠い。大統領直轄の国家人工知能戦略委員会で進行中の政策課題は300を超える。誰もがAIを語るが、実際のAI業界はまだ安定した収益構造を持っていない。試行錯誤なしには発展できない。モルタと韓国の体格と戦略は異なるが、資源が不足し人口が制限されている国という共通点がある。

AI時代の生存のためには、政府主導の大胆で精緻な政策実験が必須であるという点に両国が共感を形成した理由である。ビッグテックのデータ植民地に陥らないためには、まだ試行錯誤を経験する必要がある。周囲では「国家代表AI」に対する懸念が多い。科学技術情報通信部も初期の一時的な成功に終わるのではないかと懸念している。

しかし、失敗を恐れて規制し産業を停滞させてはならない。ソバーリンAIの高度化と公共・民間の大胆なAI融合実験に国家の命運をかけてスピード戦を展開すべき時である。躊躇する者には革新の機会すら許されないのがITの厳しい法則である。



* この記事はAIによって翻訳されました。
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