2026. 05. 20 (水)

[韓日首脳会談を読む]シャトル外交定着した韓日、民間主導の経済・文化・観光共同体へ進むべきだ

사진연합뉴스
[사진=연합뉴스]

2026年5月の安東(アンドン)は、単なる地方都市ではなかった。そこは東北アジア外交史における新たな象徴空間となった。慶尚北道・河回村(ハフェマウル)を吹き抜ける川風と、船遊綱火遊び(ソニュジュルブルノリ)の灯りの下で、李在明(イ・ジェミョン)大統領と高市早苗首相が世界に発したメッセージは、単なる首脳会談の域を超えていた。それは、韓日関係がもはや過去の傷や対立だけによって規定される時代を越え、共同生存と共同繁栄をめざす戦略的パートナーシップへ移行しつつあるという宣言でもあった。
 
今回の会談の柱は大きく五つある。供給網とエネルギー安全保障協力の制度化、シャトル外交の定着、AIや先端技術分野での協力拡大、民間主導の文化・観光共同体の可能性、そして歴史問題を管理しつつ未来志向の協力へ進むという現実的な共通認識である。
 
とりわけ今回の会談は、中東危機やホルムズ海峡リスク、米中戦略競争、さらには中朝ロ接近という大きな国際情勢の中で行われた点に意味がある。韓日両国はもはや、過去の感情だけで外交を運営できる時代にはない。エネルギー、供給網、AI、安全保障、金融、技術が一体となる「複合危機」の時代に入っているからだ。

李大統領が「争う必要のない平和な朝鮮半島」を語り、高市首相が「ホルムズ海峡における自由で安全な航行」に言及した場面は、単なる外交辞令ではなかった。東北アジアとインド太平洋秩序がいかに不安定化しているかという現実認識の表れだった。
 
世界はいま、三つの巨大な戦争の時代に入りつつある。第一は軍事戦争である。ウクライナ戦争と中東戦争は長期化局面に入った。第二は技術戦争だ。AI、半導体、量子コンピューター、宇宙産業をめぐる米中覇権競争は、新たな冷戦構造へ向かっている。第三は供給網戦争である。LNG、原油、レアアース、食料、電池鉱物の確保が、そのまま国家安全保障となる時代になった。
 
その中で韓国と日本は、対立し続けるにはあまりに近い経済構造を持つ。韓国はメモリー半導体や電池、造船、先端製造業に強みを持つ。一方、日本は素材・部品・装置、精密機械、基礎科学、金融システムに強みを持つ。両国は競争関係であると同時に、深い相互依存関係にもある。
 
今回の会談で特に注目されたのが「原油・LNGスワップ」構想だ。これは単なるエネルギー取引ではない。事実上、韓日エネルギー安全保障共同体の初期モデルと見ることができる。日本は世界有数のLNG備蓄能力と戦略備蓄体制を持つ。韓国は高度な製油・石油化学・造船インフラを持つ。共同備蓄や緊急スワップ体制を制度化できれば、中東発の衝撃を大きく和らげる可能性がある。
 
さらに今回の会談は、二国間外交を超えた新たなアジア供給網秩序の可能性も示した。高市首相が「他のアジア諸国との資源供給網協力」に言及したことは戦略的意味を持つ。韓国、日本、ASEAN、インド、オーストラリアを結ぶ経済安全保障ネットワーク構想を内包しているからだ。

 
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 米国のリーダーシップは以前ほど強固ではない。第2次トランプ政権は徹底した自国第一主義で動く。中国は経済力と軍事力を同時に拡大している。ロシアは中国との戦略連携を深め、北朝鮮は核・ミサイル能力を高度化している。
そうした状況下で、韓国と日本が互いに背を向けることは、現実的に双方にとって大きな負担となる。
 
今回の首脳会談は、そうした意味で「生存の外交」に近かった。過去の韓日首脳会談が歴史問題と感情対立の間で揺れ動いてきたのに対し、今回は供給網、エネルギー、AI、安全保障という現実の言語で接近した点に特徴がある。

もう一つ注目すべきは「地域外交」である。ソウルと東京中心だった外交が、奈良と安東へ広がったことは単なる演出ではない。首都中心外交から、地域・文化・生活外交へ移行しつつあることを意味する。実際、韓日間の人的往来は年間1300万人規模に達している。若い世代は相手国を「敵国」としてではなく、旅行、コンテンツ、就職、起業、文化、観光の場として捉えている。
 
K-POPと日本アニメ、韓国ドラマと日本の温泉文化は、対立より融合の可能性の方が大きい。韓日関係は今後、政府主導外交を超え、民間主導の経済・文化・観光共同体へ進化していく必要がある。釜山、福岡、大阪、済州を結ぶ観光ベルト、AIスタートアップ共同ファンド、青年交流型起業プログラム、韓日共同半導体大学院、宇宙開発協力――そうした構想は決して非現実的ではない。
 
欧州が戦争の歴史を越えてEUを築いたように、東北アジアも小さな経済・文化共同体から始めることはできるはずだ。李大統領がAI協力を重視した点も重要である。AIは単なる産業ではない。国家競争力と文明の未来を左右する基幹技術だ。米国はプラットフォームと資本を握り、中国は市場規模と製造基盤を持つ。その中で韓国と日本は、技術、文化、精密製造、コンテンツを組み合わせた新たな東北アジア型AIモデルを模索する必要がある。
 
もちろん障害も小さくない。慰安婦問題、徴用工問題、独島(竹島)問題など、歴史問題は依然として敏感な火種である。日本国内の歴史修正主義、韓国国内の反日感情の政治利用も繰り返されてきた。それでも、両国は感情の政治から、生存の政治へ移る必要がある。歴史を忘れようというのではない。むしろ歴史を正しく記憶するためにも、未来を共に設計する視点が求められている。

 
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韓国にも冷静な自己省察が必要だ。保守も革新も、時に日本問題を国内政治の道具として利用してきた。保守は安全保障を理由に歴史問題を覆い隠そうとし、革新は歴史問題を過度に政治化した側面があった。必要なのは、より成熟した均衡感覚である。
 
歴史問題には原則を持って向き合う。しかし感情的扇動へ流されてはならない。経済・科学・技術協力は未来世代の生存問題として考えるべきだ。若者交流を国家戦略の水準へ引き上げ、地方政府と民間企業中心の実質協力を広げる必要もある。何より重要なのは、国民意識の変化である。首脳会談だけでは韓日関係の未来は完成しない。人々の日常の中で、相手を理解し尊重する文化が積み重なってこそ、関係は安定する。観光、食、芸術、スポーツ、若者交流、学術協力――そうした積み重ねこそが、長期的には最も強固な平和の基盤になる。
 
安東・河回村の綱火遊びは、川面に無数の火花を散らす。火花は一度は散ったように見えても、やがて再び水面でつながっていく。今の韓日関係もまた、そうなのかもしれない。幾度も傷つき、揺れ動いてきた。しかし地理、歴史、経済、文化は、結局のところ両国を再び向き合わせている。韓日両国は今、過去の敵対的記憶だけにとどまっているには、国際秩序の変化があまりにも激しい時代にいる。
 
米中覇権競争、AI革命、エネルギー危機、供給網戦争の時代の中で、両国は選択を迫られている。過去にとどまるのか。それとも未来を共同設計するのか。今回の安東会談は、その問いに対し、慎重ながらも明確な答えを示し始めた。シャトル外交は、単なる外交形式ではなく、東北アジア共同繁栄のためのプラットフォームにならなければならない。そして、その中心に立つべきなのは、政治ではなく市民であり、政府ではなく民間であり、対立ではなく未来世代なのである。

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