昨年、韓国の就業者数が22年ぶりに最大幅に増加した。しかし、非正規職が急増し、労働時間も減るなど、全般的な雇用の質は低下しているという指摘が出ている。
大企業と中小企業、正規職と非正規職間の労働条件の格差がますます広がり、労働市場の改革も急がれる状況だ。
統計庁の経済活動人口調査結果によると、昨年の年間就業者数は2808万9000人を記録した。これは前年比81万6000人増加したもので、2000年以降22年ぶりの最大値だ。
雇用の量は増えたものの、質は低下している。週に36時間未満で働く短期労働者数の増加幅が、全日制労働者の増加幅を大きく上回っているのだ。
具体的に昨年、週36時間以上働いた全日制労働者数は1957万8000人で前年対比2.5%減った反面、週36時間未満の短期労働者は802万8000人で19.7%増加した。
全体労働者のうち短期労働者が占める割合は28.6%に達する。10人に3人の割合であり、1980年の関連統計作成以来、最も高い数値を記録した。
特に、週当たりの労働時間が15時間未満の超短時間労働者数が157万7000人で、やはり2000年の統計作成以来、最大に増えた。超短時間労働者は各種手当てと退職金、有給年次休暇を受けることができず、健康保険職場加入も不可能だ。
問題は2013年から10年間、超短時間労働者数が着実に増加するなど一時的な現象に止まらずにいる。超短時間労働者が増えるということは、通常社会全般にわたって働き口の質が落ちているという意味だ。
就職や失業状態にない非経済活動人口も前月対比基準で再び増加傾向を見せている。非経済活動人口は満15歳以上の人口のうち、就業者でも失業者でもない人を意味する。
昨年の月間非経済活動人口は今年初めに下落傾向を示し、7月以後反騰した後、12月から増加の兆しが明確になっている。
12月基準の経済活動参加率は63.3%で、前年同月より小幅(0.7%ポイント)上昇したが、コロナ禍の基底効果であるという分析が優勢だ。今年は追加で反映される基底効果がなく、非経済活動人口が増加するというのが一般的な観測だ。
労働可能人口の経済活動参加率を高めるためには、現在の労働市場の二重構造を解消したり緩和しようとする努力でも傾けなければならない。大企業と中小企業、正規職と非正規職間の差別が存在する限り、労働供給を画期的に増やすことは容易ではない。
代表的なのが賃金格差だ。雇用労働部が実施した雇用形態別勤労実態調査によると、2021年基準で大企業(労働者300人以上)の正規職賃金を100%であるとすれば、大企業の非正規職は69.1%、中小企業の正規職は58.6%、中小企業の非正規職は45.6%水準に過ぎなかった。企業規模と雇用形態による収入の差が大きかった。
特に就業者の増加幅は昨年下半期を基点に縮小され始め、12月まで7ヵ月連続鈍化しており、このような傾向は今年も続くだろうという見方が支配的だ。
政府も今年の新規就業者数を昨年対比10%程度下げた。企画財政部の関係者は「今年の雇用率と失業率は昨年と変わらないだろうが、基底効果や景気鈍化、高齢化などで就業者増加幅は大きく下落するとみられる」とし「雇用動向を鋭意注視し労働市場構造改善などに先制的に乗り出す」と話した。
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