[写真・執筆=順天郷（スンチョンヒャン）大学IT金融経営学科のキム・ヨンハ教授]
今年1月の韓国の輸出額は462億7000万ドル（-16.6%）、輸入額は589億5000万ドル（-2.6%）となり、貿易収支は126億9000万ドル（-2.6%）の赤字となった。輸入は一時的な現象だとしても、輸出減少幅が深刻だ。
地域別には、対中輸出が31.4%減少し、8ヵ月連続減少となった。貿易収支は39億7000万ドルの赤字を記録し、アセアン（-19.8%）と米国（-6.1%）に対する輸出額も減少した。品目別では船舶（86.3%）、自動車（21.9%）、石油製品（12.2%）、二次電池（9.9%）の輸出は良好だったが、半導体が前年同月比44.5%減少し、ディスプレー（-36.0%）、鉄鋼（-25.9%）、石油化学（-25.0%）の輸出も減少した。主力輸出品目である半導体輸出激減が決定的であり、これも対中国輸出減少が最も大きかった。韓国経済を牽引する機関車である輸出全般に信号が灯っているだけに、対中国輸出に対する緊急点検が要求される。
中国に対する輸出減少の原因は、中国の経済成長鈍化にある。コロナショックと外需不振などで2022年の中国経済成長率は3.0%と推定される。これは2021年の成長率8.1%と対比される深刻な景気後退と言える。米国と中国間の覇権競争が半導体など韓国の対中国輸出をさらに難しくしているが、中国市場で韓国製品競争力が落ちているのではないかも憂慮される。
長期的に見れば、中国の経済成長率は鈍化しており、このような傾向は今後も続くと判断される。しかし、中国は韓国の最大の貿易相手国であり、今後もその重要性を否定することはできない。短期的に見ても、中国経済は今年早い回復傾向を示し、5%以上の成長率を記録するだろうという見方が優勢だ。中国経済の足を引っ張っていたコロナが明確な落ち着きを見せている。
コロナが襲った傷痕は輸出だけでなく、中国人観光に依存してきた国内サービス産業にも大きなショックを与えた。中国人観光客が途絶えた地域は冷たい風が吹き、商圏は崩壊した。問題はコロナ禍が落ち着いている現時点でも良くなる兆しがないということにある。韓国政府は、中国に新型コロナウイルス感染症の患者が急増すると、短期ビザの発給を停止した。中国はこれに反発して2020年1月、全国のオン・オフライン旅行会社を対象に団体観光と航空券・ホテルパッケージ商品の販売中止措置を20ヶ国に対して解除したが、韓国は除外した。
コロナ発生初期の2020年には、文在寅（ムン・ジェイン）政府が中国人に対して国内入国を適期に制限せず、国内コロナ流入を自ら招いたという批判を受けた。今は逆に、国内新規発生者数が減少するなど、新型コロナウイルス感染症の局面が改善され、中国も新型コロナウイルス感染症の状況が沈静化し、中国からの入国者の感染者数が引き続き減少している。
中国人に対する入国制限措置が徐々に解決されているものの、冷却された韓中関係の復元と中国との関係をいかに維持・発展させるかということが問題だ。文政府は親中・反米政府であり、現政権は親米・反中政府という認識が依然としてあるが、国益の観点から見て、このような分類は役に立たない。米・中覇権競争が激化する様相を見せているとはいえ、両国は双方を全面的に否定することはできない。米国は半導体同盟などを通じて中国を圧迫し、中国はレアアースなどを通じてこれに対抗する状況展開が韓国としては極めてもどかしい局面である。しかし、韓国は生存と発展のためにこのような難局を賢く突破しなければならない。
米国は政治・経済・安保などすべての側面で韓国の永遠な友好国であるものの、米国と中国が対立するからといって盲目的に中国を敵にしてはならない。何よりも現時点で輸出難局を克服するためには、対中関係を早急に回復させなければならない。中国も軍事的側面で韓国が米国側に立っていることで、ひたすら敵対国になることを放置することはできない。経済的にも前後方関連関係の高い韓国を無視することはできないためだ。また、なかなか解けない北韓の核問題解決にも中国の役割が緊要だ。
2023年が対中関係修復の元年になるための可視的な措置として、韓国と中国間の首脳外交から始めることが必要とみられる。韓中首脳会談は、韓国と中国の間に残っているしこりを一気に解消できる望ましい解決策だ。韓・中が緊密だった時期に好景気を享受した多くの国民が両国関係で苦しんでいるだけに、政府が先頭に立って至急解決しなければならない。これが現在直面している国家的輸出危機を克服する近道でもある。韓国と中国が双方の交流と協力で得る利益が依然として大きく、今後もその重要性が減らないという点で緩んだ韓中関係をこれ以上放置してはならない。
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