韓国内でマスクと診断キットの販売量が下落し、業界に危機感が漂っている。
新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の新規感染者が7日0時基準で先週より1万8421人減った8万5540人を記録するなど、関連製品の需要が減少しているためと分析される。
業界によると、大型マートの上位2社の8月29日~9月2日の診断キット平均販売量(オフライン売り場基準)は前年同期比約50%下落した。マスクの販売量も10%ほど減少した。
薬局でも該当物品の販売量は伸び悩んでいる。先週、薬局診断キットの販売台数は1万6195個であり、先月同期の3万476個に比べて半分水準に下落した。薬局のマスク販売量も停滞期に入ったと業界はみている。
コロナ19特需を享受していた製品需要が下落傾向に入り、企業の足元に火がついた。特に中小企業が大多数を占めるマスク業者の危機感はさらに大きい状況だ。
2020年のコロナ19の拡散と共にマスク需要が急増し、マスクメーカーは爆発的に増えた。食品医薬品安全処によると、2020年1月137ヵ所だったマスクメーカーは、昨年下半期1600ヵ所まで10倍以上増加した。昨年から今年3月まで生産業者は461社増加し、マスク生産業者は着実に増えた。政府が利益を約束し、市場参入を誘導したおかげだった。
しかし、今年に入って状況が変わった。食品医薬品安全処から提出された資料によると、今年第1四半期のマスク生産実績を報告した業者は登録業者1591ヶ所のうち30.4%に過ぎない。マスクメーカーの3分の2ほどは、今年第1四半期のマスク生産実績が全くないという意味だ。
このため、マスク生産業者は最近、工場稼働率が急落したのに続き、廃業を心配しなければならない危機に置かれた。一部の業者では需要先を見つけられなかった物量が安値で「ダンピング」販売されている実情だ。これらの業者が実需要対比2~3倍多い物量を吐き出し、市場には数年分のマスク在庫が積もった状況だ。生産量も暴落した。実際、忠清南道に位置するAマスク生産業者は、先月の生産量が2020年比40%水準に下がった。
あるマスク生産業者の関係者は「先月、あるマスク工場が廃業し、在庫マスクを定価の10分の1で売ってかなり損をした」と吐露した。
今後、室内マスク義務解除など本格的な「ウィズコロナ」に入れば「連鎖倒産」業者が続出すると予想される。海外市場まで価格競争力を前面に押し出した中国産製品が掌握した状況であり、今後の国内マスク産業の大規模構造調整が避けられないという分析が出ている。
診断キット業者も第2四半期の営業利益が少なくは40%、多くは90%まで減少した。国内だけでなく、全世界的に診断キットの需要が減ったためだ。
国内診断キット生産業者のある関係者は「今年第1四半期までヨーロッパ、イスラエルなどでコロナ19診断キット契約が増える傾向だったが、第2四半期には契約が小幅減ったのが事実」とし「しかし事業多角化と共に輸入源を増やそうとあらかじめ準備してきており大きな問題ではない」と説明した。
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