電力当局が電気料金を電撃引き上げ、代表的な電気多消費業種である半導体業界が生産単価の上昇を避けられない見通しだ。
最近になって原材料価格や物流費引き上げで産業界の苦衷が加重される状況で電気・ガス料金まで相次いで上がり企業の負担も加重される状況だ。
特に電気料金は当分の間、高止まりを続ける見通しだが、半導体業界の電力需要は着実に増えるものと予想され、対応策作りが急がれる。
実際、サムスン電子とSKハイニックスの直近の持続可能経営報告書によると、両社は2020年1年間、それぞれ2万2916GWh(ギガワット時)、2万3168GWh規模の電力を使用した。両社を合わせて4万6084GWhに達する電気を使ったわけだ。
サムスン電子は2018年に2万558GWh、2019年に2万1160GWhなど毎年2万GWh以上の電力を使用している。SKハイニックスも2018年に2万1784GWh、2019年に2万1838GWhでサムスン電子とほぼ同じ水準の電力量需要を示している。
27日、韓国電力が第3四半期の燃料費調整単価をkWh(キロワット時)当たり+5ウォンに調整したことを考慮すれば、2020年の使用量を基準に単純計算する場合、両社は年間1145億8000万ウォン、1158億4000万ウォンの電気料金を追加で払わなければならないという結果が出る。
このように燃料費調整単価引き上げは産業界に大きな負担にならざるを得ない。一般的に産業用電気料金は家庭用より低い価格で提供される。しかし、燃料費調整単価の場合、用途と関係なく一律的に適用されるため、1kWh当たり+5ウォンの上昇分がそのまま反映される。
反面、家庭用・産業用など用途別に価格が異なる電力量料金の場合、電力当局が価格を上げる時に用途別に異なる引上げ率を決める。被害が少なくなるわけだ。
問題は当分、電気料金が高止まりを続けるだろうという見方が多いことだ。実際、韓国電力によると、第3四半期の燃料費調整単価は算術的に1KWH当たり33.6ウォンが反映されなければならなかった。
しかし変動性緩和のために年間調整幅上限線を1kWh当たり5ウォンに決めたため、燃料費上昇分を最終消費団に完全に転嫁できなかった。
電力業界では燃料費調整単価は構造的に年内にこれ以上上がることはできないが、電力量料金を引き上げる方式で電力当局が電気料金の再度引き上げを試みる余地があると見ている。
この場合、手続きがもう少し複雑で全体・用途別料金引き上げ幅を考慮するなど煩わしい過程が増えるが、韓電は燃料費以外の部分でも原価上昇圧迫を強く受けているので追加引き上げのための悩みをせざるを得ない。
半導体業界が電力使用を減らすことも難しい状況だ。24時間稼動する半導体工場の特性上、電気を節約できる幅が制限的だからだ。
その上、依然として最新工場を中心に装備が満たされており、サムスン電子のP3やSKハイニックスの大規模な新規半導体工場が建設されるなど絶対的な生産量が増えている。
最近では、企業がESG(環境・社会・支配構造)を意識して電力使用量を最小化しようとしている。しかし、絶対的な半導体生産量が急増する状況で、電気使用を減らすことは現実的に難しい。
原材料価格の引き上げや物流難など生産単価が上昇し、価格引き上げの圧迫を受ける産業界としては、追加電気料金の引き上げが負担になるしかない。
半導体業界のある関係者は「1000億ウォンが少ない金額ではないが、サムスン電子やSKハイニックスの実績規模からみて耐えられないほどではない」とし、「ただでさえ産業用電気が家庭用より安いため、たとえ直ちに負担を感じるとしても不満の声を上げにくい」と説明した。
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