南アフリカで11日開幕するサッカーワールドカップを取材するため現地入りしていた韓国民放局の取材スタッフが相次いで襲撃されていたことが7日、分かった。いずれも強盗目的で襲われたとみられ、韓国政府はすでに、本国から国民保護を担当する外交通商省領事部の職員を増派、現地での安全確保に全力を尽くす構えだ。
現地で大会取材に備えていたフリーランスの報道番組ディレクターが同国最大の都市、ヨハネスブルク市の大規模商業施設のトイレで襲撃される事件があった。首を絞められ、短時間気を失って現金とパスポートを奪われたが、命に別条はないという。
ディレクターは韓国の民放MBCの仕事で現地入りしていたが、被害に遭った当時、取材の資機材は所持していなかったという。
また、ヨハネスブルク市内を車で移動していた民放SBS教養局のディレクター1人が、信号で停車したところ、いきなり車のドアを割られる被害に遭った。
ディレクターが機転を利かせて車を急発進させたため、犯人はそれ以上追跡せず、強盗は未遂に終わったという。
韓国政府は、自国民が相次いで被害に遭ったことを重視、5日までに外交通商省領事部の担当職員を現地に増員し、国民の安全確保にあたるほか、南アフリカ政府や治安関係機関との連携を強化したという。
今回の襲撃に韓国治安関係者は「現地の治安状況は想像以上に悪い。W杯開催期間には外国人を狙った強盗が活発化するとの情報もある。お祭りムードでは済まない情勢にあり、旅行者はもちろん、大会関係者のセキュリティーにも万全を期してもらいたい」と不安をのぞかせている。
W杯南アフリカ大会の取材をめぐり、NHKを含む日本の放送各局は、安全の確保に不安があるとして、女性のアナウンサーやキャスターの派遣を見送り、派遣される報道陣全体の規模も、前回のドイツ大会よりも縮小している。
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