韓国の関税庁は8日、年初から10月までのワイン輸入額は9343万ドル(約83億4000万円)で、昨年同期(1億4395万ドル)の64.9%にとどまったと明らかにした。輸入量(1万9096トン)も同77.6%となっているという。
国別では、最も多いのはフランス産ワインで輸入額が3030万ドル、次いで自由貿易協定(FTA)締結国のチリ(2036万ドル)、イタリア(1460万ドル)、米国(900万ドル)、オーストラリア(653万ドル)スペイン(526万ドル)、ドイツ(234万ドル)の順。
この傾向が続くと、今年のワイン輸入は昨年の7~8割程度にとどまり、通貨危機の1998年以降で初めて、減少することになると予想される。1998年のワイン輸入額は、前年比71.5%減の649万ドル、輸入量は72.7%減の2559トンだった。その後は毎年輸入が増え、昨年の輸入額(1億6651万ドル)は25.7倍まで拡大、輸入量(2万8795トン)も11.3倍を記録した。
ワイン輸入の増加は、ワインが心臓病の予防に良いという研究結果が相次ぎ発表され、ヘルシーな酒という認識が広がったため。しかし、今年は景気低迷の余波の中、伝統酒の「マッコリ」のブームが起きたことが、大幅輸入減につながったと分析される。ただ、韓国が来年を目標としている欧州連合(EU)とのFTAが発効されれば、15%の関税が即時撤廃されるため、ワイン輸入にも相当の影響を与えると見込まれる。
一方、マッコリは1~10月の輸出額が425万ドル、輸出量が5199トンで、それぞれ昨年通年の96.1%と95.3%に達している。ことしはいずれの数値も過去最大を記録する見通しだ。
マッコリ輸出の急激な伸びは、韓流ブームに乗った対日本輸出の大幅増がけん引した。年初からの日本向けマッコリ輸出量は4471トンで、全輸出量の86.0%を占めている。輸出額(377万ドル)も88.7%に達した。
日本以外への輸出量は、米国(386トン)、中国(150トン)、ベトナム(78トン)、オーストラリア(31トン)、香港(23トン)、タイ(21トン)など。マッコリ輸出量は1998年の631トンから昨年は64.8倍に、輸出額は7.2倍に拡大した。
マッコリ輸出の二東酒造は、マッコリが世界化に成功すれば、韓国のアルコール類輸出は昨年の2億3000万ドル水準から、2017年には10億ドルに成長すると見込んでいる。
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