2026. 07. 02 (木)

ヨーロッパを襲った記録的な猛暑とエアコンを巡る政治論争

  • IPCC「猛暑対策にはエアコンが最も効果的」…気候政策を巡る賛否が激化

家電店で扇風機を見ているフランス人たち。 [写真=聯合ニュース・ロイター]
家電店で扇風機を見ているフランス人たち。 [写真=聯合ニュース・ロイター]

記録的な猛暑がヨーロッパ全域を襲い、エアコンの普及必要性を巡る論争が政治の場にまで広がっている。気候変動への対応として冷房機器の普及を抑制してきた従来の政策と、猛暑から市民の命を守るべきだという現実論が対立している。
 
7月1日、聯合ニュースによると、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は6月30日(現地時間)に「ヨーロッパの気温が急速に上昇する中、エアコンに対するヨーロッパ人の抵抗が現実と衝突している」と分析した。
 
ヨーロッパはこれまでエアコンの普及率が世界の主要地域の中で低い方に位置していた。古い建物の外観を損なうことや騒音が大きいこと、エネルギー消費を増加させる冷房機器の普及が気候変動への対応努力に逆行するという認識が強かったためである。
 
しかし、最近の極端な猛暑はこの認識を揺るがしている。猛暑は単なる不便を超え、医療システムや産業活動全般に甚大な被害をもたらし、冷房設備の拡充が急務となっている。
 
オランダのING銀行は、先月から続く猛暑が新型コロナウイルスのパンデミック時のロックダウンに匹敵する経済的波及効果をもたらしたと分析した。エアコンのない学校が次々と休校となり、親の経済活動に支障をきたし、店舗や工場の運営が縮小され、鉄道の運行にも障害が発生した。病院や介護施設の多くでも冷房設備が不足し、猛暑の被害が拡大しているという分析である。
 
フランスとイギリスは特にエアコン設置に対する規制が厳しい国として知られている。イギリスのロンドンでは新築の建物にエアコンを設置する前に自然換気、日よけ、断熱強化など、建物内部の温度を下げる設計を優先的に適用することが求められている。
 
しかし、長期化する猛暑の前では、エアコンが最も現実的な対応手段であるという主張にも力が入っている。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、猛暑対策の手段の中でエアコンを最も効果的な方法として評価した。一方で、機械式換気は中程度の効果、都市緑化事業は相対的に効果が低い対策として分析されている。
 
政治の場でも意見が大きく分かれている。フランスの極右政治家マリーヌ・ルペンはSNSを通じて「病院の新生児や患者、高齢者がこの猛暑を耐えるのは恥ずべきことだ」とし、「猛暑は人の命を奪う」とエアコン普及の拡大を呼びかけた。サディク・カーン・ロンドン市長も学校や病院など公共施設に冷房設備を拡充すべきだとの立場を示した。
 
一方、モナーク・バルビュ・フランス気候相は「エアコンの設置が山火事を防いだり、農作物の被害を防ぐことにはならない」とし、気候危機の根本的な解決策にはなり得ないと指摘した。オードリー・プルバール・パリ副市長も「私たちの目標は、騒音と熱、温室効果ガスを排出するエアコンが建物の外壁を覆う都市になることではない」とし、無分別なエアコンの普及に反対の立場を示した。
 
気候危機に対応するための環境政策と、ますます深刻化する猛暑に対応する現実が衝突し、ヨーロッパ社会の「エアコン論争」は当面続くと予想される。




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