2026. 06. 17 (水)

AI研究都市・大田、シリコンバレーへの飛躍を目指す

  • KAIST・大徳特区・1000のベンチャーが創る韓国のAIの頭脳


"市長、大田は韓国最高の研究都市です。今後10年以内に世界的なAI企業が誕生する自信はありますか?"

大田は韓国で最も特別な都市である。ソウルのように政治権力が集中しているわけでも、蔚山のように巨大な製造工場が立ち並ぶ都市でもない。代わりにKAISTがあり、大徳研究開発特区があり、27の政府出資研究機関と4万人以上の研究人員が集まっている。韓国の科学技術の心臓が鼓動する都市である。しかし、大田は長い間、ある質問から自由ではなかった。韓国最高の研究都市なのに、なぜ韓国最高の技術企業は生まれないのかという質問である。

今回の地方選挙で当選した許太政市長は、AI先導都市と若者ベンチャー企業1000社の育成、超大型GPUデータセンターの構築を核心公約として掲げ、研究の都市を産業の都市に変えると宣言した。研究を論文で終わらせず、企業に結びつけるということである。

今、大田は選択の岐路に立っている。研究成果を誇る都市として残るのか。それともAI時代のアジアのシリコンバレーに飛躍するのか。

民主党の許太政大田市長当選者が大田中区選挙事務所で花束を持って記念撮影している。写真=聯合ニュース
民主党の許太政大田市長当選者が大田中区選挙事務所で花束を持って記念撮影している。 [写真=聯合ニュース]


研究は豊富だが、なぜ世界的企業は生まれないのか


大田は韓国の科学技術発展の象徴である。数十年間、国家研究開発予算が集中し、多くの基盤技術がここで生まれた。研究者たちは世界的水準の論文を発表し、政府出資研究機関は国家技術競争力を支えてきた。そのおかげで大田は科学都市という名を得て、韓国の革新能力の象徴として位置づけられた。


しかし冷静に言えば、研究成果と産業成果は必ずしも比例しなかった。研究は多かったが、世界市場を揺るがす企業は相対的に少なかった。特許は多かったが、雇用に結びつくケースは限られており、技術はあったが市場を支配するプラットフォーム企業は少なかった。研究所で生まれた技術が実験室を出る前に止まり、大学から出たアイデアが創業に結びつかないケースも少なくなかった。


許太政市長が今回の選挙で最も強調したのもこの点である。彼は大徳特区が持つ研究能力が市民の所得と雇用に結びついていないと診断し、研究→産業→雇用→市民所得という好循環構造を作ると明らかにした。若者ベンチャー企業1000社の育成、技術事業化の拡大、市民成長ファンドの創設も同じ問題意識から出発している。


結局、大田の未来は研究開発予算をどれだけ確保できるかには依存していない。研究成果をどれだけ多くの企業に結びつけられるかにかかっている。論文の数ではなく、ユニコーン企業の数が重要になる時代が来た。科学都市という名前だけでは不十分である。研究が産業になり、産業が再び革新を生む都市にならなければならない。


AI時代の競争力は研究ではなく創業である


多くの人々はシリコンバレーの成功を語るとき、スタンフォード大学を最初に思い浮かべる。しかしシリコンバレーを世界の革新の首都にしたのは大学そのものではなかった。大学から出たアイデアを企業にし、企業を再び産業に育てた創業者たちであった。グーグルも、エヌビディアも、アップルも、最初は小さなスタートアップであった。


AI時代にはこの原理がさらに強まっている。かつては巨大な工場と膨大な資本がなければ企業を作ることができなかったが、今は優れた技術とコンピューティング資源、そして企業家精神さえあれば、グローバル市場に挑戦できる。生成型AIは資本と人材の障壁を下げており、革新の中心を製造業から知識と創業に移動させている。


大田はこの変化に最も有利な都市の一つである。KAISTがあり、韓国電子通信研究院があり、防衛科学研究所がある。他の地域が人材を誘致するために競争する中、大田はすでに最高水準の研究人員を保有している。問題はつながりである。研究所と大学、創業者と投資家、技術と市場がどれだけ密接に結びつくかが重要である。


許太政市長が超大型GPUデータセンターの構築とAI実証インフラの整備、市場直轄のAI戦略機構の設置を約束した理由もここにある。AI時代の核心資産であるコンピューティング資源とデータを確保し、研究者たちが創業に挑戦できる環境を作るということである。また、市民成長ファンド1兆ウォンを創設し、技術革新の成果が市民の資産に結びつく構造も提案した。


大田が真のAI都市になるためには、研究都市を越えて創業都市にならなければならない。研究者が創業者になり、大学が革新企業の母胎となり、技術が市場に結びつく都市にならなければならない。シリコンバレーの本質は技術ではなく企業家精神であることを忘れてはならない。


大田の競争相手は世宗ではなくシリコンバレーである


これまで大田は忠清圏の中心都市という枠組みの中で議論されることが多かった。世宗と協力し、忠南と連携する程度が未来戦略として提示されることが多かった。しかしAI時代の競争はそのレベルにとどまらない。今や都市は同じ国の都市と競争するのではなく、世界の革新都市と競争する。


アメリカにはシリコンバレーがありボストンがある。中国には深センがあり、イギリスにはケンブリッジがある。これらの都市の共通点は、研究能力が産業に結びつき、産業が再び革新を生む好循環構造を持っている点である。大学と研究所、ベンチャーキャピタルと創業者、グローバル企業が一つのエコシステムを形成している。


大田もまたそのような潜在能力を十分に持っている。KAISTと大徳特区、政府出資研究機関という資産は、世界のどの都市と比較しても劣っていない。不足しているのは技術ではなく野心である。なぜ大田からエヌビディアのような企業が生まれないのか。なぜ世界的なAIプラットフォーム企業は首都圏でしか生まれないのか。なぜ研究成果は豊富だが、世界市場を揺るがす企業は少ないのか。


許太政市政4年の成否は結局、この質問への答えにかかっている。研究予算がどれだけ増えたかよりも重要なのは、どれだけ多くのAI企業が誕生したかである。論文が何本増えたかよりも重要なのは、どれだけ多くの若者が大田に残り創業したかである。研究所の成果が市民の所得に結びつくことができれば、大田は科学都市を越えて産業都市になることができる。


韓国はすでに科学都市大田を持っている。


今必要なのはAIシリコンバレー大田である。





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