2026. 06. 17 (水)

[流通業界のAI革新] 大企業は価格・在庫をAIで管理…中小企業は出発点にも立てず

  • 大手は価格・在庫の最適化を進める…中小企業はコストに足を引っ張られる

  • 小売業のAI活用率は0%…データ基盤が脆弱

  • 「必要だがコスト負担が大きい」…政府の支援と実務教育の要望が高まる

AIによって生成された画像 [写真=チャットGPT]
AIによって生成された画像 [写真=チャットGPT]

流通業界において、人工知能(AI)の活用が広がっているが、大手流通企業と中小流通業者の間での二極化が進んでいる。大手流通企業は価格決定、顧客分析、在庫管理などの重要業務にAIを適用しているのに対し、中小流通業者はコストや人材、データインフラの不足からAIへの移行の出発点にも立てていない。

10日、流通業界によると、ロッテ、シンセゲ、現代などの主要な流通大企業はAI専任組織を設け、AIの開発と業務適用範囲を拡大している。自社の顧客データや物流・販売データを基に、需要予測、在庫最適化、パーソナライズ推薦などで生産性と効率性を高める方法を取っている。

一方で、中小流通業者の多くはAIの必要性を認識しながらも、実際の導入段階には進めていない。中小企業技術情報振興院が昨年、売上1500億ウォン未満の中小企業4300社を対象に実施した「中小企業情報化水準調査」によれば、AIを活用して問題の原因を把握し対応している企業は0.9%にとどまった。

また、全社的に問題をリアルタイムで把握し、すべての意思決定基準にAIを活用している企業は0.1%に過ぎなかった。一部の部門で問題を特定しモニタリングするレベルという回答も2.8%にとどまった。

特に小売業と運輸業ではAI活用率が0%と示された。販売、在庫、顧客データを基に需要予測、価格調整、発注自動化などにAIを適用する余地が大きい業種であるにもかかわらず、現場での導入は事実上初期段階にとどまっている。

中小流通業者のAI活用が低調な背景には脆弱なデータ基盤がある。同調査で全体の中小企業の38.5%はデータを全く収集していないと回答した。57.8%は一部データを収集しているが、実際のAI活用にはつながっていない。AIを適用するにはデータの収集、精製、分析のプロセスが先行する必要がある。しかし、これを担当する専門人材と予算を確保するのが難しいというのが共通の説明である。

小規模事業者も状況は似ている。中小企業中央会東京地域本部が昨年11月に発表した「東京都小規模事業者のAI認識及び活用水準実態調査」によれば、現在の事業所でAIを活用していると答えた割合は9.7%にとどまった。特にAIの有用性は認識しているが、初期投資が足かせとなっていることが明らかになった。調査対象の事業体の69.0%はAI技術導入が難しい理由として「導入コストの負担」を挙げた。次いで「AI関連の知識及び人材不足」(30.7%)、「既存システムとの連携の難しさ」(23.0%)が続いた。

業界ではAIの活用が今後、流通業者間の生産性格差を拡大させる可能性があるとの指摘がある。大手流通企業は価格、在庫、物流運営を高度化する一方で、中小流通業者が手作業中心の運営構造にとどまる場合、コスト競争力や顧客対応力の差がさらに広がる可能性があるからである。

キム・イクソン 東国大学教授(元流通学会長)は「国内の中小流通企業のAI活用は非常に低調な状況である」とし、「AI導入のコスト負担が大きいため、政府の継続的な支援が必要である」と述べた。続けて「現場に基づく実務教育と業務事例の支援が並行して行われるべきであり、今後はAIを活用する流通業者が市場競争力を確保することになるだろう」と付け加えた。




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