2026. 06. 06 (土)

地方政府は観光政策を見直し、地域の原則を確立せよ

AIが生成した画像
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第9回全国同時地方選挙が終了した。これから全国の地方政府は、選挙過程で掲げた数多くの公約を現実の政策として検証する時を迎えた。今後4年間の地域の未来を左右する公約の中で、文化・観光分野は特に冷静な再点検が必要である。選挙のたびに繰り返される開発中心の複製型観光公約を撤回し、広域と基礎自治体間の明確な役割分担と協力体制を構築することが新しい地方政府が最初に行うべきことである。

観光はもはや副次的な政策領域ではない。人口減少と地方消滅の危機の中で、地域経済を活性化し雇用を創出する重要な産業となった。それにもかかわらず、選挙の時期になると全国各地で似たような観光公約が繰り返される。広域は広域道路を、基礎は基礎でそれぞれランドマークや観光施設を前面に出して競争に乗り出す。地域の特色は消え、事業規模だけが拡大する悪循環が繰り返されている。

広域自治体が担うべき役割は明確である。開発ではなく、つなぎと調整である。外来観光客にとって行政区画の境界は大きな意味を持たない。観光客は一つの市・郡ではなく、一つの地域を体験する。しかし、一部の地域では依然として独自ブランドの構築にのみ没頭し、隣接地域との連携戦略が後回しにされることが少なくない。

広域自治体は個別観光地の造成競争から脱却し、地域間観光ベルトを構築し交通インフラをつなぐことに集中すべきである。観光客の移動動線を広げ、滞在期間を延ばすことこそが地域観光競争力の出発点である。人工知能(AI)に基づく観光サービスやデジタルプラットフォームの構築も広域レベルでの役割である。財政状況がそれぞれ異なる基礎自治体がそれぞれアプリを作りプラットフォームを構築することは、重複投資や予算の無駄遣いにつながる可能性が高い。広域が共通インフラとデータ基盤を構築し、基礎がその上に地域コンテンツを乗せる構造が常識に合致する。

基礎自治体は正反対の役割を担うべきである。巨大な開発事業ではなく、地域独自の魅力を発掘することに集中すべきである。しかし現実はどうか。山があればケーブルカーを設置し、川や海があれば吊り橋を建設するという公約が全国を覆っている。競争的に推進される大型施設は、開業初期には関心を引くが、時間が経つと維持管理の負担だけが残ることも少なくない。

常識的に考えてみよう。全国どこに行っても似たような吊り橋や展望台があふれる状況で、観光客がわざわざ遠くまで行って財布を開く理由は何か。観光客が求めるのは施設ではなく、体験である。その地域でしか出会えない物語や文化、食べ物や人々である。

地方消滅の危機の中で地域が確保すべきは、単なる訪問者ではなく、滞在し消費する生活人口である。これを可能にする力は巨大なコンクリート構造物ではなく、地域の歴史や伝統、文化や生態、住民の生活が息づくローカルコンテンツから生まれる。基礎自治体は開発公約競争から脱却し、地域の隠れた資産を発掘し、差別化された観光コンテンツを作ることに行政力を集中すべきである。

政府が推進する観光振興法改正など規制緩和の流れの中で、地方政府が直面する課題は決して軽くない。△選挙目当ての地域祭りの大胆な統廃合 △数十億、数百億円が投入される展示性事業の構造調整など、思い切った決断が求められる。

選挙は終わった。これからは冷酷な行政の時間である。票を得るために掲げた公約を無条件に押し進めることは責任ある政治ではない。広域はつなぎと調整を、基礎はコンテンツと現場を担う役割分担を明確にしなければならない。見せかけの施設競争や重複投資をやめ、地域独自の競争力を育てることに集中すべきである。地方観光の未来は、より大きな建物を建てることにはない。異なる地域の強みをつなぎ、その地域独自の物語を生かすことにある。新しい地方政府が基本と原則、そして常識に基づいた観光政策で地域の持続可能な成長基盤を築いていくことを期待する。



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