2026. 06. 05 (金)

カンヌが注目する是枝裕和新作『箱の中の羊』…AI時代における家族の意味を問う

箱の中の羊 是枝裕和・桑木リム 来日 写真=聯合ニュース
『箱の中の羊』 是枝裕和・桑木リム 来日 [写真=聯合ニュース]
是枝裕和監督は、今回も人間とヒューマノイドの共存を通じて家族の意味を再考する。『万引き家族』や『怪物』などで血縁を超えた関係を探求してきた彼は、新作『箱の中の羊』を通じて愛と喪失、共に生きることの不安と喜びを描いた。

4日午後、ソウル・江南区のメガボックスCOEXで映画『箱の中の羊』のメディア・配信試写会および記者会見が行われた。現場には是枝裕和監督と俳優の桑木リムが出席し、作品についての話を交わした。

『箱の中の羊』は、亡くなった子供の代わりに一家に入った7歳設定のヒューマノイドが、家族になる喜びと再び捨てられるかもしれない不安に直面する物語である。『万引き家族』や『怪物』を手掛けた是枝監督の新作で、第79回カンヌ国際映画祭の競争部門に招待された。これは彼にとって通算10回目のカンヌ映画祭出品作である。

是枝監督は、今回の作品の出発点として生成型人工知能(AI)を取り巻く現実の変化に言及した。彼は「映画の着想は2年前からあった。生成型AIで亡くなった人を呼び戻すビジネスが中国で盛況だと聞いた。業務で中国を訪れた際、そのビジネスを行っている代表者に会い、彼の事業内容を見せてもらった。亡くなった方の携帯電話に残っている写真や映像を使ってAIを作ったのを見て、映画の内容を思いついた」と語った。
挨拶する是枝裕和監督 写真=聯合ニュース
挨拶する是枝裕和監督 [写真=聯合ニュース]

是枝監督は「この映画を観た観客がどう受け取るか興味があった。この映画は『みんな幸せに暮らしました』という話ではない。残された子供たちと去っていく大人たちの姿を描いているが、大人たちは(ヒューマノイドの子供たちが)どう生きるか分からないのではないか。目に見えないものを想像し、感じながら生きていくことになるだろう。その想像力を観客に伝えたかった」と説明した。

是枝監督は人間とヒューマノイドの関係を単なる技術と人間の対立として捉えなかった。彼は異質な存在が同じ空間で共に生きる姿を夫婦関係とも関連付けて考えた。

彼は「夫婦も同様だと思った。異質な二つの存在が共存することは難しくもあり、面白いことでもある」と述べ、「ガラスと木が共に調和するように、人間と植物、ヒューマノイドが共に調和するように、異質な存在が共存する関係を様々なところで表現したかった。劇中、子供を失った母親は子供に厳しい言葉をかけたことを後悔し、夫は子供に言えなかったことを後悔する。彼らは異なる後悔を抱えた夫婦として始まるが、同じ箱の中で共に生き、失ったカケルを想像しながら生きていく。そうした異質な存在の関係を通じて伝えたいことがあった」と付け加えた。

映画の中心には、200対1の競争率を突破してキャスティングされた子役の桑木リムがいる。是枝監督は桑木リムをキャスティングした理由について「第一印象で決めた。直感的にこの子だと確信した」と語った。

続けて「それでもオーディションを重ねた。私の判断だけでなく、スタッフ全員の合意のもとで決定した。最も決定的だったのは映画後半に出てくる浴室のシーンだった。ケンスケ役の大悟と会話する場面で、最後のオーディションで(大悟と共に)演じ、そのシーンを最後にキャスティングを決定した」と説明した。
ヒューマノイドを表現する桑木リム 写真=聯合ニュース
ヒューマノイドを表現する桑木リム [写真=聯合ニュース]

桑木リムは合格の知らせを受けた際を振り返り、「家族みんなで飛び跳ねて喜んだ。パパ、ママ、姉がすごく泣いていた」と語り、「最初は『なんでこんなに泣いているの?』と思ったが、後でママが教えてくれて、泣くほど嬉しかった」と述べた。

是枝監督の現場でのディレクションについても言及した。桑木リムは「監督が自分らしく、君らしく演じればいいと言ってくれた。他の監督は現場で『これはこうして、あれはこうしろ』と教えると聞いていたが、是枝監督は君らしくやればいいと気楽に言ってくれた。冗談のように適当にやればいいとも言ったが、適当ではなかったと思う」と笑った。

是枝監督は子役に細かい指示をするのではなく、現場の雰囲気の中で自然に演技を引き出そうとした。彼は「実際、俳優の演技に対してディレクションや指示は存在しない。基本的に現場で大悟と桑木が会話し、待機している時間に練習した。綾瀬も一緒に入って練習し、俳優たちが話し合っている間に雰囲気が熟してきた時にカメラを回した」と述べた。

桑木リムの瞬発力も高く評価された。是枝監督は「桑木は稀有な面がある。最初のテイクが終わった後、二回目のテイクで雰囲気を変えたり、セリフを変えたりする遊び感覚、応用力があった。非常に楽しんで演技していた。その点では子役とは思えない」と語った。

続けて「映画の中の浴室のシーンで『秘密にしてほしい』と言う時に『どうしよう?』というセリフがある。お父さんをからかいながらも交渉している感じがあったが、私が指示したわけではなく、彼女が自分でそう演じてくれたのが驚きだった」と付け加えた。

最後に桑木リムは「『箱の中の羊』を見てくれてありがとう。この映画は愛のある映画だと思う。何度も見て、何度も考えさせられる映画だ。皆さんも考えながら見てほしい」と挨拶した。
箱の中の羊 是枝裕和・桑木リム 来日 写真=聯合ニュース
『箱の中の羊』 是枝裕和・桑木リム 来日 [写真=聯合ニュース]

是枝監督も映画の中で見えないものを想像してほしいと訴えた。彼は「映画というのは目に見えるもので作られるが、撮影されていない部分も重要だ。映画の中で建築は見えないところに本質があると言うように、私もそうしたことを意識しながら映画を作った」と述べた。

続けて「映画で見えるのは森、カップラーメン焼きそばなど様々だが、それ以外の見えないものについても想像しながら見てほしい」と伝えた。

なお、『箱の中の羊』は10日に国内公開される。




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