3日、フランス・マルセイユのパレ・デュ・ファロ(Palais du Pharo)で開催された第77回世界ニュースメディア総会(WNMC)の「AIが変えるニュース体験」セッションでは、この変化の最前線について議論が行われた。今年の総会は6月1日から3日までパレ・デュ・ファロで開催され、世界60カ国以上から450を超えるメディアを代表する約1000人の参加者がマルセイユに集まった。
このセッションは、元BBCワールドサービスデジタル開発エディターで現在は独立メディアのアドバイザーであるドミトリー・シシキン(Dmitry Shishkin)が司会を務めた。パネルには、ドイツのイッペン・デジタル(Ippen Digital)のマルクス・クナル(Markus Knall)コンテンツ総括兼編集長、ドイツdpaのアストリッド・マイヤー(Astrid Maier)編集部局長兼戦略総括、インドのスクロール(Scroll.in)のサヌータ・ラグ(Sannuta Raghu)総括プロデューサー、そして韓国のアジュメディアグループのAJP 서혜승編集局長が参加した。
セッションの核心テーマは『流動的コンテンツ』であった。一つの取材成果が読者の置かれた文脈に応じて形を変え、必要な瞬間に適切なフォーマットで読者に届けるという概念である。これは、読者がメディアを訪れるのを待つ従来のモデルとは対照的である。
司会のシシキンが提唱した『ユーザーニーズ(user needs)』モデルは、この議論の理論的基盤を形成している。読者が単に情報を得るためだけにニュースを消費するのではないという前提から出発したこのモデルは、『知りたい(know)』『理解したい(understand)』『感じたい(feel)』『行動したい(do)』という読者の異なる意図を分類する。
シシキンはこれまで「あなたが語りたいことを語りつつ、読者が価値を置く角度から展開せよ」と強調してきた。AIはこのモデルを一段と進化させる。どの読者が今『理解』を求めているのか、『感情的共感』を求めているのかをデータで読み取り、それに応じた形のコンテンツを自動的に生成するのである。
セッションではまた、『AI時代におけるニュース通信社とは何か』という根本的な問いが投げかけられた。
通信社は伝統的に記事を生産し、他のメディアに供給する卸売業者の役割を果たしてきた。しかし、AIが翻訳・キュレーション・配信を自動化することで、通信社が『何を伝えられるか』の境界自体が拡大している。この点で、서혜승局長が率いるAJPの事例が注目される。
アジュメディアグループは、韓国語のアジュ経済、英語通信社AJP、AIビジネスチャンネル(ABC)を基盤に、中国語・日本語・ベトナム語の国際版まで5言語でコンテンツを発行する多言語・AIネイティブメディア組織である。
서局長はAJPのアイデンティティを検索ではなくAI時代に見出す。
彼は「検索の時代には言語は地域に束縛されていたが、AI時代にはその公式が逆転する。すべての巨大言語モデルは本質的に英語を中心に作られており、アジアはますます西洋の資料で学習されたAIによって描写されている」と述べ、「私たちはアジア内部で、AIが最もよく読み取れる言語で書くアジア英語通信社の役割を発見した。これが『英語で書かれたアジアの本質(Asian substance in English)』である」と語った。
서局長が説明する核心は『AIネイティブに設計された後発者の逆説』である。
英語通信社市場では後発者であるが、初めからAIを前提に構築したため、むしろ出発の不利を相殺したというのである。
彼は72歳のアジュメディアグループ創業者、郭永吉会長がパンデミック期間中にKAISTでAIの講義を受けて帰り、『AIでなければ死(AI or Die)』、『まず始めて、完成は後で』という二つのスローガンを会社の運営原則にしたと紹介した。
서局長はAIを補助ツールとして位置づけつつ、記者の役割はむしろ重要性を増すと強調した。彼は「私たちの座右の銘は明確である。AIが学び、追いつける記者になろうということだ」と述べ、「現在AJPでは入社2年未満の記者が5000語の深層企画やインタビュー、分析記事を執筆している」と語った。
実際、AJPは1日約300件が生産されるアジュ経済の記事の中から一部を『AIピック(AI Pick)』というシステムで選別し、4つの追加言語で自動配信している。この自動化により、該当4言語圏の発行量は10倍に増加し、英語のトラフィックは30%増加したと伝えられている。
今回のセッションは、前日同じ総会で扱われた『ディスカバリー: AI時代の検索を再考する(Discovery: How to Rethink Search in the AI Era)』セッションと自然に関連している。
2日のセッションがSEOからAEO(回答エンジン最適化)・GEO(生成型エンジン最適化)への検索戦略の進化を扱ったのに対し、この日のセッションはその一歩先を見据えている。
検索を最適化することを超え、読者が検索すらする前にニュースを体験させる段階である。
これはメディア産業の古い問いが置き換わっていることを示唆している。過去の発行人の問いが「最高のジャーナリズムとは何か」であったのに対し、新しい問いは「最高の体験とは何か」に移行している。ただし、両セッションが共通して強調したメッセージは、技術よりも根本的なところにある。アルゴリズムとプラットフォームは常に変わるが、読者との直接的な関係は残るということである。
第三のテーマはAIが地域メディア(local publisher)の取材範囲をどのように急速に広げるかであった。
インドのスクロールのサヌータ・ラグはAIを活用して少ないリソースでより広い地域社会を取材する実験をリードしてきた人物であり、リソース制約が大きい地域メディアほどAI自動化の有効性が高いことを示す事例として挙げられる。
AJPも同様の発見を共有している。昨年、駐韓インド大使館と共に行った小規模AI映像・エッセイ公募展は、わずか220ドルのマーケティング予算で始まったが、約100万回の露出を記録し、これはインド特化コンテンツ構築の端緒となった。
서局長はBTSの事例を挙げ、AIが生み出した時間的余裕がどのように読者体験に還元されるかを説明した。今年初め、光化門で行われたBTSの公演を2ヶ月間24時間生中継し、5つの言語でグローバルファンダム『アーミー(ARMY)』のためのプラットフォームに変身した事例である。
彼は「私たちは読者が私たちのところに来るのを待つことはできない。彼らを探し出し、彼らが何を体験したいのかを理解しなければならない」と述べた。
セッションは最終的に一つの結論に収束した。
AIがニュースの生産・流通・消費を根本から揺るがしているが、その中心には変わらず読者がいるということである。技術は手段に過ぎず、コンテンツが自ら読者を見つけ出す『予測可能なジャーナリズム』の目的地は最終的に読者の体験である。서局長らパネルは「読者がどこにいても、どのフォーマットを求めても、必要な瞬間に物語を届ける」というビジョンを共有し、AI時代のメディアの競争力は依然として「読者が再び訪れる理由を作ることにある」と一致した。
* この記事はAIによって翻訳されました。
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