2026. 06. 04 (木)

イジュングン会長のボランティア哲学…強い国の根源は記憶と敬意である

一日の善行はイベントであるかもしれない。しかし、30年以上続く実践は哲学となる。
最近、富英グループが兵役名門家を対象にリゾートやホテル、ゴルフ場の利用割引特典を提供することが発表され、注目を集めた。一部では意義ある社会貢献活動と評価され、他方では企業の宣伝の性格があるのではないかとの視線も向けられた。どちらにせよ重要なのは割引そのものではない。本当に注目すべきは、イジュングン富英グループ会長が長年示してきたボランティア哲学である。
 
企業の社会貢献は、しばしば一回限りのイベントで終わることが少なくない。記念日に合わせて寄付金を出し、特定のイベントを支援し、広報資料を配布することで締めくくられる。それも意味はある。しかし、哲学と呼べるのは繰り返しと持続性である。一日の善行はイベントとなるが、数十年の実践は哲学となる。イジュングン会長のボランティア活動は、兵役名門家割引という単一の事例で説明できるものではない。国家有功者支援、戦闘員の敬意、軍人支援、ボランティア団体支援、歴史教育事業など、長い間続いてきた様々な活動の延長線上で理解されるべきである。
 

イジュングン富英グループ会長(左から3番目)とホン・ソヨン(左から4番目)兵務庁長が2日、富英グループ本社で兵役名門家優遇協約式を行った。
イジュングン富英グループ会長(左から3番目)とホン・ソヨン(左から4番目)兵務庁長が2日、富英グループ本社で兵役名門家優遇協約式を行った。 [写真=聯合ニュース]

 
ボランティアは過去を称えることではなく、未来を守ることである。
 
私たちの社会はボランティアをしばしば福祉の観点から見る。国家のために犠牲になった人々を助け、生活を支援すること程度に理解される。もちろん、それも重要な役割である。しかし、ボランティアの本質はそこにだけあるわけではない。
 
ボランティアは共同体が何を記憶し、何を尊重するかの選択である。国のために犠牲になった人を敬わない社会は、結局共同体を支える責任と献身の価値も弱まるしかない。逆に、犠牲と献身を尊重する社会は、危機的状況でもより強い連帯と責任意識を生み出す。
 
世界の主要先進国が戦闘員や軍務者を敬う理由もここにある。強い軍隊は武器と予算から生まれるが、強い安全保障は文化と価値から生まれる。ボランティアは過去を記念する事業ではなく、未来を準備する投資であるという理由である。
 
その点で兵役名門家への支援は単なる割引特典以上の意味を持つ。直系3代がすべて兵役義務を誠実に果たした家族を社会が尊重し、敬意を表するという象徴的な意味があるからである。もちろん、それ一つが国家安全保障を強化したりK-防産競争力を高めたりするとは言えない。しかし、国家のために献身した人々を尊重する社会的雰囲気を作ることに寄与する点は明らかである。
 
企業も共同体の責任を分かち合う時代である。
 
今日の企業は単に利益を生み出す組織ではない。企業は社会的影響力を持つ共同体の構成員である。雇用を創出し、税金を納め、地域社会を変える。だからこそ、法的責任だけでなく社会的責任も求められる。
 
ボランティア分野は企業にとって宣伝効果を期待しにくい領域である。環境や文化芸術、スポーツ支援のように大衆的な露出が大きい分野とは性質が異なる。それにもかかわらず、イジュングン会長が長年ボランティア分野に関心を寄せてきた事実は評価に値する。
 
企業の社会貢献が一回限りのイベントではなく経営哲学として定着する時、社会的信頼も共に高まる。イジュングン会長の場合も同様である。兵役名門家支援はある日突然出たアイデアではなく、長い時間続いてきたボランティア哲学の一面と見るべきである。
 
ボランティアと防産は異なる道のように見えるが、結局同じ場所を目指している。
 
アジュ経済はこのような問題意識に深く共感する。アジュ経済はボランティア新春文芸を開催し、国家のために献身した人々の生活と犠牲、そしてその精神を文学と記録に残す作業を続けている。また、防産フォーラムを通じてK-防産の未来と国家安全保障の重要性を継続的に照らし出してきた。
 
ボランティア新春文芸が安全保障の精神的価値を再確認する作業であれば、防産フォーラムは安全保障の産業的基盤を論じる場であると言える。ボランティアと防産は互いに異なる領域のように見えるが、結局国家を守る力をどう継承し、発展させるかという同じ問いに繋がる。
 
国家のために献身した人を記憶することと、国家を守ることができる産業能力を育てることは、すべて共同体を持続させるための努力である。その点でアジュ経済はイジュングン会長の行動を単なる企業マーケティングではなく、私たちの社会が共に考えるべき共同体価値の実践と見なす。
 
今、韓国は世界10位の経済大国であり、世界的な防産強国へと躍進している。しかし、経済力と軍事力だけで国家の力が完成されるわけではない。国家のために献身した人を記憶し、尊重する文化が支えられる時、初めて共同体の力も持続することができる。
 
企業は利益で成長する。しかし、尊敬は数字ではなく価値から生まれる。兵役名門家割引は小さな制度かもしれない。しかし、その背後にある30年以上の実践と哲学は決して小さくない。
 
イジュングン会長が私たちの社会に投げかけるメッセージは明確である。ボランティアはコストではなく共同体への投資であるということである。そしてそのメッセージは今日の韓国が再び考えなければならない問いでもある。
国家のために献身した人を私たちは果たして十分に記憶しているのか。





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