2026. 06. 03 (水)

[WNMC 2026] サルツバーガー「AIが代替できないのは独自取材報道」…40分間、メディアの存在理由を説く

2026年6月1日フランス南部マルセイユで開催された第77回世界ニュースメディア総会WNMCの開会式で、アーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズNYT会長兼発行人がAIジャーナリズムと公論の確実な未来をテーマに演説している。AFP連合
2026年6月1日フランスマルセイユで開催された第77回世界ニュースメディア総会(WNMC)開会式で、アーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズ(NYT)会長兼発行人が『AI、ジャーナリズムと公論の不確実な未来』をテーマに演説している。AFP連合

「人々が知っている重要な事実は、結局メディアの独自取材報道から生まれる。」
 
1日(現地時間)フランス・マルセイユで開幕した世界ニュースメディア総会(WNMC 2026)で、アーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズ会長兼発行人は、40分間休むことなく生成型人工知能(AI)時代におけるメディアの危機と役割を説いた。AI企業による無断コンテンツ利用と著作権侵害問題を厳しく批判しつつ、メディアが生き残るためには独自取材報道をさらに強化する必要があるとのメッセージを発信した。
 
1300人以上の世界中のジャーナリストとメディア経営者が参加した会場で、サルツバーガー会長の演説は何度も共感の拍手を引き起こした。司会を務めたBBCジャーナリストのロス・アトキンスは、演説直後に「最近ジャーナリストから聞いた演説の中で最も力強いものの一つ」と評価した。
 
『AIジャーナリズムと公論の不確実な未来(AI Journalism and the Uncertain Future of the Public Square)」をテーマにしたこの日の基調講演は、AI技術そのものへの批判よりも、ジャーナリズムの価値と生存戦略に焦点が当てられた。
 
サルツバーガー会長は「ニューヨークタイムズは技術革新を拒否してきた組織ではない」と述べ、「私たちは長い間技術企業と協力しており、現在もAIを責任を持って倫理的に活用している」と語った。
 
彼は「強力な新技術を避けることは失敗の近道である」とし、「AIは世界に多くのポジティブな影響を与えることができる技術である」と評価した。
 
しかし、現在のAI産業の成長方式には深刻な問題があると指摘した。
 
サルツバーガー会長はAI産業が人材(Talent)、コンピューティングインフラ(Compute)、エネルギー(Energy)、データ(Data)という四つの要素を基盤に運営されていると説明した。AI企業は優れたエンジニアを確保するために数千万ドルから数億ドルを投資し、データセンターや半導体、電力確保のために巨額の費用を支出しているが、データに関しては全く異なる基準を適用しているという。
 
彼は「AI企業は同意や報酬なしにデータを持ち去っている」とし、「彼らがデータと呼ぶものの多くは、実際にはメディア記事や書籍、音楽、映画など著作権で保護された創作物である」と述べた。
 
続けて「今日の主要なAIモデルは著作権資料なしでは学習が不可能であることをオープンAIさえ認めている」とし、「結局AIモデルの成否はデータセットにかかっている」と強調した。
 
サルツバーガー会長は特にメディアコンテンツがAI産業の核心原料になっている点を何度も強調した。
 
彼はニューヨークタイムズが昨年だけで記事や写真、動画、ポッドキャストなど約50万件のコンテンツを生産し、それに20億ドル以上を投資したと紹介した。また、アメリカ50州と世界155カ国に記者を配置し、現場取材を行っていると説明した。
 
彼は「記者が現場で発掘した情報や目撃者証言、非公開文書、専門家分析、写真や動画が公的記録を豊かにする」とし、「人々が知っている重要な事実は結局こうした独自取材報道から生まれる」と述べた。
 
続けて「AIは公開された情報を分析し再構成することはできるが、新しい事実を発見したり検証する取材活動はできない」とし、「AIもまたメディアが生産した情報に依存している」と付け加えた。
 
2026年6月1日フランスマルセイユで開催された第77回世界ニュースメディア総会WNMCの開会式で、アーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズNYT会長兼発行人が『AIジャーナリズムと公論の不確実な未来』をテーマに演説を終えた後、ポーズをとっている。AFP連合
2026年6月1日フランスマルセイユで開催された第77回世界ニュースメディア総会(WNMC)開会式で、アーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズ(NYT)会長兼発行人が『AIジャーナリズムと公論の不確実な未来』をテーマに演説を終えた後、ポーズをとっている。AFP連合

サルツバーガー会長は最近のAIサービスが示す誤りや歪みの問題にも言及した。
 
彼は「AIは不確実性を表現するのが苦手で、間違った情報を確信に満ちた口調で伝えることが多い」とし、「メディアとは異なり、AI企業は誤った情報を修正したり責任を取ったりしない」と批判した。
 
さらに大きな問題は、AIがメディアと読者との直接的な関係を代替し始めている点であると診断した。
 
サルツバーガー会長は「過去の検索プラットフォームは利用者をメディアサイトに接続したが、AIは回答のみを提供し、利用者は元の情報源を訪れなくなる」とし、「これはニュース産業の収益構造と読者基盤をさらに弱体化させる可能性がある」と懸念を示した。
 
彼はAIサービスがメディアに送るトラフィックが従来の検索サービスよりも著しく低いという研究結果を引用し、「広告収入の減少に加え、読者とのつながりが弱まれば、メディア産業はさらに大きな危機に直面することになる」と述べた。
 
サルツバーガー会長はAIが公論にも深刻な影響を及ぼす可能性があると警告した。
 
彼は「何がどこから来たのか、何が真実なのかを知ることがますます難しくなっている」とし、「人々が嘘を信じることも問題だが、真実さえ信じなくなる状況がより危険である」と述べた。
 
続けて「その結果、人々は公的領域から離れ、社会的信頼が弱まる」とし、「地域メディアが消えたコミュニティでは市民参加が減り、腐敗が増加するという研究結果もある」と説明した。
 
サルツバーガー会長はこのような危機に対応するためにメディアが四つの行動を取るべきだと提案した。
 
第一は著作権保護である。
 
彼は「知的財産権はメディア産業の未来のために必ず守られなければならない」とし、「盗むことは間違っているという単純な倫理原則を明確にすべきである」と強調した。
 
第二はAI企業との契約を慎重に結ぶことである。彼はメディアがライセンス契約を結ぶ際にも、適正な報酬が行われるか、コンテンツ利用に関するコントロール権を維持できるかを慎重に検討する必要があると助言した。
 
第三は立法対応である。著作権保護の強化やAI学習データの透明性確保、AI企業の責任強化のための法・制度整備が必要だと主張した。
 
第四はメディア産業の連帯である。彼は「AI企業は巨額の資金力でロビー活動や広報活動を行っている」とし、「メディア産業がこれに対応する唯一の方法は共に行動することである」と述べた。
 
同時にメディア自身も変化する必要があると注文した。
 
サルツバーガー会長は「AIを正しい方法で活用すべきだ」とし、「技術をジャーナリズムの質を高め、ビジネスモデルを強化するために積極的に活用すべきである」と述べた。
 
また、プラットフォーム依存度を減らし、読者と直接つながるブランドになるべきだと強調した。
 
彼は「AIが仲介する世界で生き残るためには、読者がわざわざ訪れるほどの差別化されたジャーナリズムが必要である」とし、「その中心には独自取材報道の領域がある」と述べた。
 
続けて「読者にも、AIにもこのような報道を代わりに提供できる場所は他にない」と付け加えた。
 
演説の最後にサルツバーガー会長は「情報は価値がある。ジャーナリズムも価値がある」と力を込めて述べた。
 
彼は「インターネットはすでにボットと低品質コンテンツで溢れており、何が真実かを判断することがますます難しくなっている」とし、「ニュース組織はこの混乱の中で信頼できる代替手段となるべきである」と強調した。
 
40分間にわたる演説が終わると、会場を埋め尽くした1300人以上のジャーナリストは拍手で応えた。AI時代のジャーナリズムの未来を巡る不安と悩み、そして独自取材報道の価値を守るべきだというサルツバーガー会長のメッセージが、世界各国のジャーナリストの共感を呼び起こした瞬間であった。
 
サルツバーガー会長は最後に「我々のニュース組織の未来と公論の健全性は、我々が今どのように対応するかにかかっている」と述べ、演説を締めくくった。



* この記事はAIによって翻訳されました。
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