2026. 08. 08 (土)

[WNMC 2026] サルツバーガー「AIが代替できないのは独自取材報道」…40分間、メディアの存在理由を説く

2026年6月1日フランス南部マルセイユで開催された第77回世界ニュースメディア総会WNMCの開会式で、アーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズNYT会長兼発行人がAIジャーナリズムと公共圏の確実な未来をテーマに演説している。AFP連合
1日フランス・マルセイユで開催された第77回世界ニュースメディア総会(WNMC)の開会式で、アーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズ(NYT)会長兼発行人が『AI、ジャーナリズムと公共圏の不確実な未来』をテーマに演説している。AFP連合

「人々が知っている重要な事実は、結局メディアの独自取材報道から生まれる。」
 
1日(現地時間)フランス・マルセイユで開催された世界ニュースメディア総会(WNMC 2026)の舞台に立ったアーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズ会長兼発行人は、40分間休むことなく生成型人工知能(AI)時代におけるメディアの危機と役割を説いた。AI企業による無断コンテンツ利用と著作権侵害問題を正面から批判しつつ、メディアが生き残るためには独自取材報道をさらに強化すべきだというメッセージを伝えた。
 
1300人以上の世界のジャーナリストとメディア経営者が参加したイベントで、サルツバーガー会長の演説は何度も共感の拍手を引き起こした。司会を務めたBBCジャーナリストのロス・アトキンスは、演説直後に「最近のジャーナリストから聞いた演説の中で最も強力なものの一つ」と評価した。
 
「AIジャーナリズムと公共圏の不確実な未来」をテーマにしたこの日の基調講演は、AI技術そのものに対する批判よりもジャーナリズムの価値と生存戦略に焦点が当てられた。
 
サルツバーガー会長は「ニューヨークタイムズは技術革新を拒否してきた組織ではない」とし、「私たちは長い間技術企業と協力してきており、現在もAIを責任を持って倫理的に活用している」と述べた。
 
彼は「強力な新技術を避けることは失敗の近道だ」とし、「AIは世界に多くのポジティブな影響を与えることができる技術だ」と評価した。
 
しかし、現在のAI産業の成長方式には深刻な問題があると指摘した。
 
サルツバーガー会長はAI産業が人材(Talent)、コンピューティングインフラ(Compute)、エネルギー(Energy)、データ(Data)という4つの要素に基づいて運営されていると説明した。AI企業は優秀なエンジニアを確保するために数千万ドルから数億ドルを投資し、データセンターや半導体、電力確保に巨額の費用を支出しているが、データに対しては全く異なる基準を適用しているという。
 
彼は「AI企業は同意や報酬なしにデータを持ち去っている」とし、「彼らがデータと呼ぶものの大部分は実際にはメディア記事や書籍、音楽、映画など著作権で保護された創作物だ」と述べた。
 
続けて「今日の主要なAIモデルは著作権資料なしでは学習が不可能であることをオープンAIですら認めている」とし、「結局AIモデルの成否はデータセットにかかっている」と強調した。
 
サルツバーガー会長は特にメディアコンテンツがAI産業の核心原料になっている点を何度も強調した。
 
彼はニューヨークタイムズが昨年だけで記事や写真、動画、ポッドキャストなど約50万件のコンテンツを生産し、これに20億ドル以上を投資したと紹介した。また、アメリカ50州と世界155カ国に記者を配置し、現場取材を行っていると説明した。
 
彼は「記者が現場で発掘した情報や目撃者の証言、非公開文書、専門家の分析、写真や動画が公共記録を豊かにする」とし、「人々が知っている重要な事実は結局こうした独自取材報道から生まれる」と述べた。
 
続けて「AIは公開された情報を分析し再構成することはできるが、新しい事実を発見したり検証する取材活動はできない」とし、「AIもまたメディアが生産した情報に依存している」と付け加えた。
 
2026年6月1日フランス南部マルセイユで開催された第77回世界ニュースメディア総会WNMCの開会式で、アーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズNYT会長兼発行人がAIジャーナリズムと公共圏の確実な未来をテーマに演説を終えた後、ポーズをとっている。AFP連合
2026年6月1日フランス・マルセイユで開催された第77回世界ニュースメディア総会(WNMC)の開会式で、アーサー・グレッグ・サルツバーガーニューヨークタイムズ(NYT)会長兼発行人が『AIジャーナリズムと公共圏の不確実な未来』をテーマに演説を終えた後、ポーズをとっている。AFP連合

サルツバーガー会長は最近のAIサービスが示す誤りや歪みの問題にも言及した。
 
彼は「AIは不確実性を表現するのが苦手で、間違った情報を確信に満ちた口調で伝えることが多い」とし、「メディアとは異なり、AI企業は誤った情報を修正したり責任を取ったりしない」と批判した。
 
さらに大きな問題は、AIがメディアと読者との直接的な関係を代替し始めている点だと診断した。
 
サルツバーガー会長は「過去の検索プラットフォームは利用者をメディアサイトに接続したが、AIは回答だけを提供し、利用者は元の情報源を訪れなくなる」とし、「これはニュース産業の収益構造と読者基盤をさらに弱体化させる可能性がある」と懸念を示した。
 
彼はAIサービスがメディアに送るトラフィックが従来の検索サービスよりも著しく低いという研究結果を挙げ、「広告収益の減少に続き、読者とのつながりが弱まれば、メディア産業はさらに大きな危機に直面することになる」と述べた。
 
サルツバーガー会長はAIが公共圏にも深刻な影響を与える可能性があると警告した。
 
彼は「何がどこから来たのか、何が真実なのかを知ることがますます難しくなっている」とし、「人々が嘘を信じることも問題だが、真実さえ信じなくなる状況がより危険だ」と述べた。
 
続けて「その結果、人々は公共の場から離れ、社会的信頼が弱まる」とし、「地域メディアが消えたコミュニティでは市民参加が減り、腐敗が増加するという研究結果もある」と説明した。
 
サルツバーガー会長はこのような危機に対応するためにメディアが4つの行動を取るべきだと提案した。
 
第一は著作権保護である。
 
彼は「知的財産権はメディア産業の未来のために必ず守られなければならない」とし、「盗むことは間違ったことであるという単純な倫理原則を明確にする必要がある」と強調した。
 
第二はAI企業との契約を慎重に結ぶことである。彼はメディアがライセンス契約を結ぶ際、適正な報酬が行われるか、コンテンツ利用に対するコントロール権を維持できるかを慎重に検討すべきだと助言した。
 
第三は立法対応である。著作権保護の強化やAI学習データの透明性確保、AI企業の責任強化のための法律・制度整備が必要だと主張した。
 
第四はメディア産業の連帯である。彼は「AI企業は巨額の資金力でロビー活動や広報活動を行っている」とし、「メディア産業がこれに対応できる唯一の方法は共に行動することだ」と述べた。
 
同時にメディア自身も変化しなければならないと注文した。
 
サルツバーガー会長は「AIを正しい方法で活用すべきだ」とし、「技術をジャーナリズムの質を高め、ビジネスモデルを強化するために積極的に活用すべきだ」と述べた。
 
また、プラットフォーム依存度を減らし、読者と直接つながるブランドになるべきだと強調した。
 
彼は「AIが仲介する世界で生き残るためには、読者が自ら訪れるほどの差別化されたジャーナリズムが必要だ」とし、「その中心には独自取材報道の領域がある」と述べた。
 
続けて「読者にも、AIにもこうした報道を代わりに提供できる場所は他にない」と付け加えた。
 
演説の最後にサルツバーガー会長は「情報には価値がある。ジャーナリズムにも価値がある」と力を込めて述べた。
 
彼は「インターネットはすでにボットと低品質コンテンツで溢れており、何が真実かを判断するのがますます難しくなっている」とし、「ニュース組織はこの混乱の中で信頼できる代替手段でなければならない」と強調した。
 
40分間にわたる演説が終わると、会場を埋め尽くした1300人以上のジャーナリストは拍手で応えた。AI時代のジャーナリズムの未来を巡る不安や思索、そして独自取材報道の価値を守るべきだというサルツバーガー会長のメッセージが、世界各国のジャーナリストの共感を呼び起こした瞬間であった。
 
サルツバーガー会長は最後に「我々のニュース組織の未来と公共圏の健全性は、我々が今どう対応するかにかかっている」と演説を締めくくった。



* この記事はAIによって翻訳されました。
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