2026. 06. 02 (火)

低金利と脱ドルの流れに乗り…中国のパンダボンド発行が今年最高値を記録か

  • 今年のパンダボンド発行量は約30兆円…昨年の2倍

  • パキスタン・フォルクスワーゲンも発行…外国系発行比率41%

  • 地政学的不確実性により…高まる人民元資産の魅力

中国人民元の写真(ゲッティイメージバンク)
中国人民元の写真(ゲッティイメージバンク)

中国人民元のグローバルな影響力が高まる中、人民元建ての債券である「パンダボンド」の需要も急速に増加している。市場では、今年のパンダボンド発行規模が過去最高を更新する可能性が高いとの見方が出ている。パンダボンドは、外国機関が中国本土で発行する人民元建ての債券を指す。

中国の市場調査会社ウィンドによると、5月29日までのパンダボンド発行規模は約1330億元(約29兆7640億円)に達した。これは昨年同時期のほぼ2倍の水準である。日本の日本経済新聞は「現在のトレンドが続けば、過去最高だった2024年の年間発行規模(約1950億元)を超える可能性がある」と予測している。

特に最近、各国政府のパンダボンド発行が相次いでいる。

先月、パキスタン政府は初めて17億5000万人民元のパンダボンドを発行した。満期3年物の金利は年2.5%で、パキスタン国内の基準金利である11.5%を大きく下回った。

また、4月にはカザフスタンが中央アジアの国々の中で初めて34億人民元のパンダボンドを3年満期で発行した。同月、スロベニアも東欧諸国で初めて40億人民元規模のパンダボンドを発行し、人民元債券市場に参入した。

海外政府だけでなく、グローバルな銀行や製造業者など外国系企業の参加も拡大している。ドイツのドイツ銀行は3月に外国系銀行として最大規模の55億人民元のパンダボンドを発行し、先月にはドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンも30億人民元のパンダボンドを発行した。

最近のパンダボンド市場の最大の変化は、外国の存在感が高まっていることである。かつては中国企業が海外法人を通じて発行を主導していたが、最近では外国政府や企業が市場の成長を牽引している。

スタンダード&プアーズ(S&P)グローバル(中国)レーティングスのリサーチ責任者であるレイ・ワンは日本経済新聞に「パンダボンド発行額における外国企業の割合が2023年27%から2026年第一四半期には41%に上昇した」と述べ、「非中国系発行者の割合は今後も継続的に拡大し、市場成長の主要な原動力となるだろう」と予測している。

パンダボンド発行が増加している最大の理由は、相対的に低い資金調達コストである。最近、中東地域の情勢不安や原材料価格の上昇により、世界各国でインフレ懸念が高まっているが、中国は主要国に比べて低金利水準を維持している。そのため、海外政府や企業は人民元市場でより安価に資金を調達できる。

人民元の国際的な地位とグローバルな影響力の向上も、パンダボンド需要の拡大を支えている。最近、国際社会ではドル依存度を減らし、外貨や投資資産を多様化しようとする動きが広がっており、人民元資産への関心も高まっている。特に中央アジアや中東の国々は、中国の一帯一路(シルクロード経済圏)事業に参加し、中国との経済協力を拡大する中で、人民元債券の需要が増加している。

最近の中国の堅調な輸出実績も人民元の国際化を後押ししている。人民元の価値はドルに対して最近3年で最高水準まで上昇し、これがグローバル投資家の人民元資産への好みをさらに高める要因となっているとの分析がある。






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