![[写真=高麗亜鉛]](https://image.ajunews.com/content/image/2025/08/26/20250826120055828001.png)
高麗亜鉛が25日(現地時間)、世界1位の防衛産業企業であるロッキード・マーティンとゲルマニウム供給・購買および核心鉱物供給網協力のための了解覚書(MOU)を締結した。 今回のMOUは核心希少金属分野で韓米協力の初めての成功事例という点で意味が大きい。 韓米両国は経済安保協力議論に歩調を合わせ、「脱中国」核心鉱物供給網構築を先導する計画だ。
今回のMOUは高麗亜鉛が中国・北朝鮮・イラン・ロシア以外の国で製錬(採鉱から生産に至る全過程を含む)したゲルマニウムをロッキード・マーティンに供給し、ロッキード・マーティンはこれを購入するオフテイク(生産物優先確保権)契約締結を推進する内容を骨子とする。 高麗亜鉛とロッキード・マーティンはMOUを基に、今後の長期契約締結に向けた具体的な議論に着手する。
ロッキード・マーティンは1995年、ロッキードとマーティン・マリエッタの合併で発足した世界最大の防衛産業企業で、F-22とF-35、イージス戦闘システム、パトリオットミサイルなどを生産する。 韓国政府・産業界とUH-60ヘリコプターとF-16戦闘機の組立生産からT-50超音速高等訓練機の共同開発に至るまで40年余りにわたり協力関係を継続している。
ゲルマニウムは夜間透視鏡、熱画像カメラ、赤外線感知器など防衛産業に使われる核心素材だ。 人工衛星に電力を供給する太陽電池パネルなど宇宙産業にも活用される。 高性能半導体素子と半導体工程用特殊ガス、LED、光ファイバーケーブル、超伝導体など先端技術分野に広く使われる必須金属だ。
現在、世界最大のゲルマニウム生産国は中国だ。 KOTRAによると、2021年基準でグローバル精製ゲルマニウム生産量140tの68%が中国産だ。 核心鉱物の輸出統制など資源兵器化の傾向が深刻化し、特定国家の資源生産偏重問題が浮上し、安定的な供給網構築が国際的な解決課題に浮上した状況だ。
高麗亜鉛は今回のロッキード・マーティン社とのMOU締結に合わせ、蔚山(ウルサン)の温山(オンサン)製錬所に1400億ウォン前後の資金を投入し、ゲルマニウム工場の新設を推進する。 2027年の試運転を経て、2028年上半期の稼動を目標に、高純度二酸化ゲルマニウム(ゲルマニウムメタル約10トン)を生産する計画だ。 これをきっかけに、高麗亜鉛は韓国唯一のゲルマニウム生産企業として位置づけられることになる。
高麗亜鉛は韓国で唯一アンチモン、インジウム、ビスマスなどを生産してきた。 アンチモンも弾薬、ミサイルなど防衛産業の核心素材として活用されている。 高麗亜鉛は今年6月、ボルチモア行きの貨物船にアンチモン20トンを船積みし、対米輸出に乗り出した。 年内に100トン以上、来年には年間240トン以上に輸出量を増やす計画だ。
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