小説家のハンガン(韓江)氏が韓国人作家として初のノーベル文学賞を受賞した。アジア女性作家としても初めて。1901年から117回授与されているノーベル文学賞で、女性の受賞者はわずか18人目となる。
スウェーデン・アカデミーは10日(現地時間)、受賞者として韓江氏の名前を呼称して「歴史的トラウマと人間の命の脆さを浮き彫りにする強烈な詩的散文」を書いた作家だと紹介した。また彼女の作品について「肉体と魂、生者と死者の間のつながりに対して独自の認識を持ち、詩的で実験的なスタイルによって現代散文の革新者になった」と絶賛した。
彼女の受賞を世界各国の主要メディアも大きく報道した。
英国ガーディアンは、ハン・ガン氏が「小説、エッセイ、短編小説集などを通して、家父長制、暴力、悲しみ、人間愛などのテーマを多様に探求してきた」と評価し、日本のメディアも「韓国の現代文学を代表する作家のハン・ガン氏が選ばれた」と伝え、「『韓国でも別格』と評される作家が、アジア人女性として初の同賞を手にした。彼女は2016年にはブッカー国際賞を受賞した」と詳しく報じた。
ハンガン氏は流麗な文章と奥深い世界認識で早くから韓国国内はもちろん、海外でその文学的成果を認められている。日本でも彼女の小説は『菜食主義者』『別れを告げない』などがすでに翻訳出版され、好評を得た。
一方、ハンガン氏は延世(ヨンセ)大学国語国文学科を卒業し、1993年「文学と社会」冬号に『ソウルの冬』など詩4編を発表して詩人として登壇した。2007年に発表した『菜食主義者』が大きな反響を呼び、2016年にマン・ブッカー国際賞を受賞した。また昨年には『別れを告げない』でフランス・メディシス賞外国文学賞を受賞した。
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