半導体景気で韓国の輸出が好調を見せているものの、国策研究機関は高金利の影響で内需不振が続いていると診断した。また内需回復も容易ではないと見通した。
韓国開発研究院(KDI)は9日、「9月の経済動向」を通じて「最近の韓国経済は高い輸出増加傾向にもかかわらず、高金利基調で内需回復が遅れているため、景気改善が制約されている」と評価した。
最近、韓国経済を牽引しているのは輸出だ。ICT(情報通信技術)品目を中心に良好な流れが続いているためだ。半導体景気も好調を続け、輸出と生産が高い増加傾向を示している。
問題は内需だ。商品消費と建設投資の不振が景気回復を制約すると把握される。7月の小売販売は新製品発売で急増した通信機器・コンピューターを除けば大部分のフォームで不振だった。自営業景気を判断する宿泊・飲食店業も7月に-3%を記録するほど不振し、サービス消費全体も緩やかな増加傾向を示した。KDIは「高金利基調が持続し、小売販売は不振な流れを続けている」と分析した。
KDIの内需不振診断は、昨年12月以降10ヵ月間続いている。先立ってKDIは先月「経済動向8月号」を通じて「半導体を中心に高い輸出増加傾向が持続しているものの、内需は微弱な水準にとどまり景気改善を制約している」と評価した。直前の評価である「内需回復傾向が可視化されず、景気改善傾向が微弱な姿」で内需不振をさらに強調したと解釈される。
内需不振の主な原因は、長期間続いている高金利基調だ。韓国銀行が基準金利を3.5%に維持し、市場金利も高い水準だ。貸出延滞率が上昇する中で小売販売、設備投資、建設投資が全て減少傾向を示している。去る6月、3ヶ月移動平均個人事業者の負債延滞率は0.62%で長期平均を上回った。
しばらくは内需回復は容易ではない見込みだ。KDIは「建設投資先行指標の不振を勘案すれば、当分建設投資および関連雇用も不振を持続しながら内需回復を制約する可能性がある」と分析した。
ただ、物価については肯定的な評価を下した。供給不安が解消され、物価上昇の勢いが目標水準に近づいている。8月の消費者物価は1年前より2.0%上昇した。石油類と農産物の上昇幅の縮小が物価上昇の鈍化につながった。
原油価格の変数による物価急騰の可能性は大きくないだろうと見込んだ。KDIは「最近のドバイ油価格下落傾向は今後の物価上昇勢鈍化要因として作用する可能性がある」と伝えた。ドバイ油の価格は7月の1バレル83.8ドルから先月77.6ドルに下落した。
韓国の国内経済に大きな影響を及ぼす米国経済に対しては楽観的に見通した。KDIは「米国経済に対する否定的展望が提起されているが、消費と企業投資が良好だ」として「成長勢は緩やかに鈍化するだろう」と予測した。
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