出産率の低下で非常事態に陥った韓国社会だが、ペットを飼う「ペットファム(Pet+Family)族」が急増し、関連事業が成長を続けている。
4日、グローバル市場調査会社のユーロモニターによると、2023年の韓国のペットケア市場は前年比5.6%増の24億5030万ドル(約3兆2529億ウォン)と集計された。10年前と比べると、3倍も増えた規模だ。同期間、グローバルペットケア市場が1.9倍大きくなったのと比べれば、著しく速い。
このような傾向は、出産率が最低水準を記録する中で1人世帯の増加や高齢化進展速度が速い韓国で、2000年に始まったコロナ禍がペット市場成長に大きな影響を及ぼしたと解釈される。関連業界では、コロナパンデミック当時、在宅ワークが普遍化し、ペットを育てる環境が良くなってペットの普及率が増加したと分析した。ある流通業界の関係者は「2020年以後、韓国のペット産業成長率は年平均10%以上で世界主要国の中で最も速い」と説明した。一部では、近いうちに子供を育てる家庭よりペットを育てる人が多くなる可能性を排除できないという話まで出ているほどだ。
韓国のペットケア市場は世界14位の水準であり、経済規模に比べてまだ大きくはないが、成長を繰り返している。このような流れに合わせて、伴侶産業市場は急成長している。韓国全国で営業中のペット関連業者だけが2月末基準で4万ヶ所をはるかに越えた。このうち薬局と美容業は毎年その数が大幅に増え、最近それぞれ1万ヵ所前後に達した。
動物薬局は全国に1万1154ヵ所で、ペットメーカーの中で最も多かった。これは全国的に2万4910ヵ所が営業中の一般薬局の半分に迫る数字だ。2020年から毎年約2000ヵ所が新たに動物薬局の許可を受けている。一般薬局開設者のうち、動物薬局の許可を受けた人が獣医の処方に従って動物医薬品を販売することができる。
動物美容業者が9610か所で、動物薬局の次に多かった。2017年までは1年に20ヵ所未満だった動物美容業者の許認可数は、2018年に突然約5000ヵ所に急増した後、毎年1000か所を超える業者が新しくオープンしている。
韓国のペットケア市場が急速に成長するもう一つの理由としては、オンライン流通市場の性化が挙げられる。他の国と比べて韓国のオンラインペット市場の割合は特に高い方だ。昨年、韓国の全体ペットケア市場でオンラインが占める割合は67.5%であり、中国の56.4%、米国の38.4%、日本の23.0%などに比べるとかなり高い水準だ。
このようなペット市場の成長の背景には「ペットヒューマニゼーション」(Pet Humanization)現象があるという分析だ。家族の一員と認識して人のように接し、ペットに良い用品と質の良いサービスなどに惜しみなく支出する飼い主が増えたということだ。
ペットを子供のように扱い、何でも最高にしてあげようとする心理が反映され、韓国のペットの飼い主たちは高価なペット(ケア)品目に投資しているわけだ。特に昨年、韓国の高価伴侶犬・伴侶猫の乾燥フード市場は10年前対比それぞれ150.0%、577.6%増加した。これは世界の成長率(それぞれ127.4%、145.6%)を大きく上回る水準だ。
一方、韓国政府もペット関連産業を育成し、輸出を拡大するために積極的に乗り出している。ペット産業の成長基盤を構築するために実証基盤施設を造成し、研究開発(R&D)投資を拡大している。また医療費に対する付加価値税を免除するなど関連産業分野に対する支援にも努めているだけに、韓国のペット市場規模はさらに拡大する見通しだ。
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