韓国の経常収支が1~2月の2ヶ月連続赤字を記録した中で、上半期だけで100億ドルの赤字が予想されるという国策研究機関の見通しが出た。
ただし、下半期には経常収支上昇要因が可視化され、今年一年間の経常収支は計160億ドルの黒字を記録するとみられる。
現在、韓国経済の対外健全性を考慮すると、経常収支の下落による急激な外国為替市場萎縮の可能性は低いと分析される。
韓国開発研究院(KDI)は3日、このような内容を盛り込んだ懸案分析「最近の経常収支変動要因と示唆点」を発表した。
報告書によると、世界貿易能力と交易条件が1%上昇する場合、GDP対比経常収支はそれぞれ最大0.13%ポイント、0.43%ポイント増加した。
実質実効為替レートが1%上昇すれば経常収支は最大0.09%増加したが、内需が1%増加すれば経常収支は最大0.60%ポイントまで下落する。
最近の経常収支の下落は交易条件の悪化に主に起因し、内需回復も一部寄与したものと判断される。
実際、昨年下半期の貿易条件の下落による経常収支の下落は計2.4%前後と分析される。対外環境の悪化で景気が低迷したにもかかわらず、内需が比較的良好な流れを見せ、経常収支の下落に1.0%ポイント寄与した。
これを土台にKDIは2023年の経常収支が2022年(298億ドル)より縮小された160億ドル水準の黒字を記録すると見込んだ。
上半期には世界経済の低迷が続くものの、内需が相対的に支え、約100億ドルの赤字を見せるものと予想される。
下半期になると、世界経済の回復と内需増加の鈍化で経常収支の上昇要因が可視化され、経常収支は260億ドル水準の黒字を記録するものと予想した。
交易条件と実質実効為替レートは大きな変動がなく、経常収支に対する影響は微々たるものと見られる。
商品収支は今年上半期90億ドルの赤字から下半期150億ドルの黒字を記録し、年間60億ドルの黒字が予想される。
KDIは現在、韓国経済の対外健全性を考慮すると、通貨危機の可能性は低いと判断した。さらに、純負債国とは異なり、現在の韓国のような純資産国では経常収支の下落による通貨危機の可能性は低いと分析した。
KDIのキム・ジュンヒョン経済展望室模型総括は「最近の経常収支下落は対外環境悪化にともなう所得減少にもかかわらず支出増加傾向が維持されて現れた現象」とし「マクロ経済政策基調は経常収支の短期的変動に過度に左右されないことが望ましい」と話した。
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