昨年から米国発の緊縮の影響で景気鈍化が本格化し、韓国企業も対外買収合併(M&A)の代わりに内部の息抜きに力を入れている。
系列会社の統廃合など選択と集中で不確実性を下げてリスクを緩和する戦略であるだけに、典型的な不況期の経営方式といえる。今年は経済環境がさらに悪化し、M&A市場が追加梗塞すると予想する見方が多い。
9日、公正取引委員会によると、昨年の企業結合審査件数は1027件で、前年(1113件)比7.7%減少した。企業結合規模も349兆ウォンから325兆5000億ウォンへと6.7%(23兆5000億ウォン)減少した。
企業結合は企業間資本・組織・人材結合を意味するが、よくM&Aと呼ばれる概念だ。昨年の場合、外部企業を買収するより内部的な事業構造改編に重点を置いたのが特徴だ。コロナ禍と金利引き上げなど急変する環境の中で不確実性とリスクを減らす方向で経営方針を樹立した結果だ。
他の会社を買収または合併した非系列会社間の企業結合は計580件、44兆7000億ウォンで、1年前より件数と金額がそれぞれ17.7%、16.8%減少した。新規成長動力の確保に消極的だったという意味だ。
反面、大企業内の系列会社間の企業結合は18.9%(47件)増えた。金額でも2兆3000億ウォン増加(10兆8000億→13兆1000億ウォン、21.3%)したものと集計された。系列会社の統廃合で既存事業の競争力を維持し、不要な費用を節減することに力を入れたという分析だ。
例えば、SKは韓国の大手企業の中で最も多い30件の企業結合を申告したが、そのうち12件が系列会社の整理次元だ。カカオは申告された19件全体が、ハンファは19件のうち10件が系列会社間の結合だった。
公取委のシン・ヨンヒ企業結合課長は「大企業の場合、系列会社が多いほど企業結合件数も多かった」として「事業構造再編の必要性がさらに大きかったという意味」と説明した。
このような流れは今年も続く見通しだ。グローバル景気がさらに冷え込むなど、昨年より経営環境が悪化したためだ。米国連邦準備制度(Fed・FRB)が政策金利を6%まで引き上げる可能性が提起されるなど市場内の緊張感が広がっている。
資金の流れが制限されるほど、企業は攻撃的なM&Aより体質改善と事業構造改編方式で内実固めに乗り出す可能性が高くなる。
資本市場研究院のファン・セウン先任研究委員は「昨年の経済成長率は2.6%を記録したが、今年は1%半ば台に止まるだろう」とし「企業の売上が大きく伸びないうえにキャッシュフローも円滑ではないと予想され、資金市場がさらに委縮する可能性を排除できない」と指摘した。
ファン氏は「資本市場と営業側面で資金確保が悪化する恐れがあり、企業の立場では例年のようにM&Aを進めるのは難しい」として「費用節減側に多くの努力がなされるだろう」と見通した。
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