グローバル電気自動車の先頭走者である現代自動車とテスラの間で、静かな激戦が繰り広げられている。 テスラは現代自動車が早くも次世代電気自動車市場に挙げたインドネシア市場に生産工場を設ける一方、現代自動車はテスラのホームである米国で電気自動車成長の歩幅を急速に広げている。 テスラが市場シェア3位に上がった現代自動車に生産基地設立で対抗した欧州市場も観戦ポイントに挙げられる。
15日、業界によると、テスラは最近、インドネシア政府とギガファクトリーを設立するための暫定合意に達した。 インドネシアにテスラのギガファクトリーができれば、中国上海に次ぐアジア2番目の生産基地になる。
テスラがインドネシア進出を実現すれば、現代自動車との全面勝負は避けられない見通しだ。 インドネシアのブカシ·デルタマス工業団地に建てられた現代自動車工場の年間生産能力は25万台だ。 この工場で生産されるアイオニック5で、現代自動車はインドネシアの電気自動車市場でシェア首位を走っている。 昨年のアイオニック5の販売台数は1845台だ。 これは2021年、インドネシア1年間の電気自動車販売台数(693台)に比べて3倍近い販売台数だ。
インドネシアは人口6億6000万人を保有するアセアン地域を攻略する橋頭堡に挙げられる。 次世代電気自動車市場をめぐって両社間の顔色伺いは激しくなる見通しだ。 テスラ新規工場の年間生産台数は100万台と見込まれる。 現代自動車はアセアン地域でEV6など主要電気自動車モデルに対して直接販売に乗り出し、電気自動車の先頭の地位を強固にする計画だ。
両社間の競争はインドネシアを越えて世界各国で続いている。 テスラのホームである米国市場では、現代自動車が存在感を急速に高めている。 昨年、現代自と起亜が米国市場で販売した電気自動車は、前年比196.2%増の5万8028台を記録した。 これは2019年の販売台数(4169台)比14倍の水準だ。 シェアは7.1%で、3位に上がった。 テスラは65%のシェアで、依然として1位を記録したが、前年に比べては7%減少した。
現代自は来年完成するジョージア工場の稼動前まで、アラバマ州工場でジェネシスの電気乗用型多目的車(SUV)のGV70電動化モデルを生産するなど、現地攻略を強化する戦略だ。 起亜も既存のジョージア工場で電気自動車を混流生産する案を検討している。
テスラは現代自動車の躍進に加え、景気低迷への懸念で現地の電気自動車市場に地殻変動が起き、シェアを取り戻すための方策を模索している。 テスラは今月に入って、米国で主要モデルを対象に最大1万3000ドルの割引特典を提供している。 モデルYは従来の価格対比20%安い5万2990ドル、モデルX PLAIDは14%割引した11万9990ドルで発売した。 モデル3パフォーマンスとモデルSなども10%以上ずつ割引し、攻撃的なマーケティングに乗り出している。
欧州も両社の激戦地だ。 欧州自動車工業協会によると、現代自動車グループは昨年1~11月に計98万6860台を販売し、市場シェア3位を記録した。 欧州自動車市場のバロメーターであるドイツでは電気自動車1万5033台を販売し、テスラ(3万1505台)を追撃している。 第一の貢献者は、本格的に市場に投入されているアイオニック5とコナだ。
両モデルはベストセラーカー10位圏に入り、欧州市場全体の販売台数をけん引している。 現代自動車の進撃に対抗し、テスラは欧州初の生産基地としてドイツを指名し、昨年初めから年間50万台の生産工場を建てた。 業界では現代自動車が直ちに欧州電気自動車専用工場を作るよりは、段階的に接近するものと見ている。
大林大学・未来自動車工学部のキム·ピルス教授は“現代自動車は電気自動車販売台数の推移を見て、欧州と米国の工場ラインを一つずつ変えていく方式でテスラに対処し、電気自動車の需要が幾何級数に増えれば、電気自動車専用工場に転換したり、新設するものと予想される”と述べた。
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