韓国開発研究院(KDI)が今年の韓国の消費者物価は2.3%上昇すると見込んだ。来年は原油価格をはじめ原材料価格の上昇影響が次第に消滅し、1.7%の上昇が予想される。KDIは去る5月、今年と来年の消費者物価上昇率をそれぞれ1.7%、1.1%と見通したが、0.6%ポイントずつ引き上げた。
KDIは「最近の高い消費者物価上昇率には供給要因が大きく反映されているが、今後は需要回復に伴いコア物価(食料品およびエネルギー除外指数)上昇率も次第に拡大すると予想される」と述べた。また「現在のコア物価上昇率と期待インフレ水準を考慮すると、最近の高いインフレが長期化するリスクは大きくない」と予想した。
KDIは原油価格をはじめとする原材料価格の上昇の影響が来年半ばまで続くと見込んだ。ただ、来年の年平均国際原油価格は、今年と同じ1バレル当たり70ドル前後の水準になると予想され、追加で物価を引き上げる要因ではないと説明した。
グローバル供給網への支障が長引くかどうかは、今後の成長の最大変数として取り上げられた。KDIは「グローバルサプライチェーンや急激な原材料価格上昇などによる生産支障が来年下半期以降も続けば、輸出と設備投資が制約され、製造業を中心に成長傾向が鈍化する可能性がある」と指摘した。さらに「中国を中心に世界経済の成長傾向が鈍化した場合も韓国経済の回復が遅れる可能性がある」と警告した。
最近、需給に支障を来たしている尿素水も経済回復の勢いを妨げかねない。KDIは「(尿素水の需給)不均衡問題を早期に解決しなければ、韓国経済全般に少なからぬ景気下方圧力として作用する可能性がある」と述べた。
<亜洲日報の記事等を無断で複製、公衆送信 、翻案、配布することは禁じられています。>