ウン・ソンス金融委員会委員長は仮想通貨を信頼できない「投機」であると指摘したが、中小ベンチャー企業部やKDB産業銀行など政府省庁や公共機関は仮想通貨に数百億ウォンを投資していたことが分かった。政府省庁や公共機関が仮想通貨を巡って金融当局とは相反する見方を示し、市場の混乱を深めているという指摘が出ている。
5日、国会政務委員会所属のユン·チャンヒョン国民の力議員が各機関から提出してもらった資料によると、中小ベンチャー企業部やKDB産業銀行など政府省庁や各公共機関は、2017年1月から今年3月にかけて仮想通貨関連投資商品に計502億1500万ウォンを投資した。
機関別には、中小ベンチャー企業部が最も多い343億ウォンを投資した。中企部は母体出資ファンドから4企業に343億ウォンを投資した。母体出資ファンドは、投資と管理などの業務は関連法に従ってベンチャーキャピタル(創業投資会社など)である業務執行組合員が進行する。政府が母体ファンドに資金を支援すれば、母体ファンドが各種ベンチャーファンドを作り、ベンチャーキャピタルがこれを運用する構造だ。
続いて、産業銀行が117億7000万ウォン、国民年金公団が34億6600万ウォン、郵政事業本部が4億9000万ウォン、企業銀行が1億8900万ウォンなどで、これらはいずれも中企部のように直接投資の代わりにファンドを通じた間接投資を選択した。これらファンドはアップビット(Upbit)やビットサム(Bithumb)など、韓国の主要仮想通貨取引所に直接投資したことが確認された。
これはウン・ソンス金融委員長の最近の発言とは対照的だ。ウン氏は先月22日、国会政務委員会全体会議で「仮想通貨は内在価値がなく、特定金融情報法施行後に取引所はすべて閉鎖される可能性もある」とし「仮想通貨は認められず、制度化されてほしくない」と発言した。仮想通貨は事実上、投資価値のない不明確な投機資産であるという見方をほのめかしたわけだ。
ウン氏の発言後、仮想通貨市場は一時急落した。6000万ウォン台で取引されていたビットコインの価格は一時5000万ウォン半ばまで下落したりもした。
金融界の関係者は「金融当局のトップが仮想通貨を投機手段であると発言したものの、政府省庁と公共機関はすでに仮想通貨に数百億ウォンを投資した」とし、「金融当局と公共機関が仮想通貨に対して食い違いを見せ、投資家と市場には不確実性を高めている」と指摘した。
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