新世界グループは、IT技術の開発を担当する新世界INCが決済職員(キャッシャー)のいない無人店舗「Eマート24セルフストア(以下、セルフストア)」を披露し、IT技術を活用した流通革新に乗り出す。2年前、米アマゾンが始めた自動決済店舗「アマゾンゴー(Amazon Go)」と類似したサービスだ。新世界INCはSSGペイとセルフストアを結合し、未来の売り場の形で脚光を浴びている無人店舗市場を先取りするという計画だ。
新世界INCは9月中旬、金浦市場基洞の新世界データセンター1階に構築したセルフストアの非公開テストを終え、来る30日に一般人が利用できるように公開する予定だ。
セルフストアは新世界コンビニの「Eマート24」ブランドで運営される。店舗の規模も一般のコンビニと同様の14坪(46㎡)水準であり、扱うものも食料品、加工食品、生活必需品などで同一だ。
セルフストアを利用するには、新世界の簡便決済サービスのSSGペイに加入しなければならない。SSGペイのアプリで売場への入場のためのQRコードを生成した後、これを入口にでタッチすると売場のドアが開かれて、ショッピングを始めることができる。
欲しいものを選んだ顧客は、別途の計算手続きなしですぐに売場から出ればいい。売場から出ると、SSGペイアプリを通じて事前に登録したクレジットカードで持ち出したものの決済が完了される。支払いは早ければ数十秒、遅くても5分以内に完了される。ショッピングで退屈を誘発する計算手続きがなくなるだけに、顧客は一層快適なショッピングをすることができる。
セルフストアは、アマゾンゴーのようにキャッシャーがいないだけで、厳密な意味では無人店舗ではない。店舗内の在庫を管理し、在庫がないものを埋めるスタッフが常駐しなければならない。実際に金浦のセルフストアにも店頭管理のための2人の職員が働いている。無人店舗の目標は、人件費の削減ではなく、顧客の便宜性の向上にあるということ、新世界INC関係者の説明だ。
新世界INCは、セルフストアに設置した30台のカメラと商品の重さを感知するセンサーで、顧客がどのような商品を取ったのかを把握する。顧客の動きが撮られた映像を新世界データセンターにある人工知能(AI)が分析し、顧客が商品を購入する意思があるか確認する。
新世界INCのAIは、顧客が入場した瞬間から顧客のすべての動きを把握する。顧客が商品を取って買い物かご、ポケットなどに移すと、商品を購入したことになり、商品を元の場所に戻したり他の場所におけば購入しないものと把握する。カメラとセンサーできっちり動きを把握するため、密かに物を盗むことは不可能だ。内部の利用者同士で商品を渡したり、店内で食べ物を食べても商品を購入したとの判断する。アマゾンゴーのように一般人に無人店舗を公開することができるほどシステムの完成度が優れているという評価だ。
顧客がショッピングを早く終えれば決済が速く進み、ショッピングを長くしたり、店内で複雑な行為をすると決済が完了されるまで少し時間がかかる。AIが顧客の行動を分析するのに若干の時間が必要だからだ。
しかし、まだ不十分な部分もある。結果ではなく、行動で購入の意思を把握する点が代表的な事例だ。例えば、物を取る行為を購入する行動とみなすため、Aが商品を取ってBに渡し、Bが商品を持って売場の外に出ても、Aが商品を購入したと認識する。このような理由で商品を取って他人には渡すのを禁止する警告文が店内に貼られている。
新世界INCの関係者は「金浦店で一般人を対象にテストを行い、セルフストアAIの売り場管理の能力を一層高めるという計画だ」とし、「金浦以外の地域にセルフストアを設立する計画はまだない」と述べた。
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