[キム・サンチョルのコラム] 「ニューチャイナ」と「サード出口戦略」に対する理解

[写真=キム・サンチョル前KOTRA北京・上海館長]


トランプ米大統領のアジア訪問を控えて韓国と中国間のサード葛藤の縫合を通じた和解ムードが劇的に作られている。1年半の間、持続していた中国の我々に対する露骨な敵対行為を中止するという両国の政治的合意が形成されたのだ。これに対する様々な政治的、ないし経済的な解釈がまちまちだ。経済的な側面から見ると幸いな側面があるとはいうが、政治的な観点から見れば、また別の紛争の素地が依然として残っている。サード配置で明らかになった中国の赤裸々なすっぴん顔を見ながら私たちが体得した大切な価値を決して忘れてはならない。最近、グルーバル政治・経済の地形に対する、もう少し冷静な観察が要求される時点だ。

昨年の米大統領選挙におけるロシアス関連キャンダルがまだ残ってはいるが、米国経済の復活を旗印に内部的な意見の食い違いが克服され、トランプ政権を支える雰囲気だ。いまや外部問題に視線を回せるより多くの余裕が生じているのだ。中国は習近平2基目が発足し、より強力になったシステムで新時代、つまりニューチャイナ(New China)の陣容を整え始めた。日本は安倍政権が再信任を受けながら日本の変身、あるいは再建が弾力を受けている姿だ。私たちは米国と中国の間で綱渡りをしなければならないという声が依然として高い。中国と遠ざかっている北朝鮮は、核武装を通じて米国との直接的な関係改善に向けて必死になっている。

米国との「新型大国関係」という旗印を掲げ、一帯一路を通じて中国は西側に力を入れている。しかし、東に対する不安感が中国を悩ませている。サード対立後の韓国が米国や日本ともっと近づき、血盟と呼ばれた北朝鮮まで中国との関係は疎遠になり、米国に一層執着する傾向が強い。このような状況で中国が出せるカードがまさに韓国との関係改善だ。最低韓国だけでも再び自分の味方になるようにすることが有利であるという判断に起因する。韓国の関係改善に対する熱望を収容したという大義名分をあげているが、彼らの本音もそれほど気楽なわけではない。

最も目立つのは韓中両国間に凍りついていた経済分野で協力の扉が再び開かれる兆しだ。我々の大手企業の場合も、再び中国に大型投資をする準備を急いでる。両国のインアウトバウンド旅行業界も市場復元のための手続きに入っている。グローバル景気が確実な回復に向かっている時期に、中国市場にもう一度正常に復帰することは決して悪いシナリオではない。しかし、中国に無条件に引きずられていくのは絶対禁物だ。サードの教訓な輸出や内需市場での「China+1」の戦略を絶対固守しなければならない。

習近平体制が対外的な力を誇示するために推進している一帯一路も各地で揺れている。4次産業革命とポスト・チャイナ時代の到来で、中国から離れる先進国の企業が相次いでいる。「製造2025」という製造業強国の旗印も、西欧技術の中国に対する警戒感から四面楚歌に追い込まれているのが実情だ。韓国に追いつくことに血眼だが、依然として韓国からの協力が必要なものが多い。中国のあるオンラインメディアは、敵1000人を殺そうとして800人を失ったことになったという赤裸々な評価までした。サード以前のような本格的な回復は多分、来年上半期になりそうだ。中国の数(數)を読むと時空間的に我々に不利な局面ではない。


 
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