年末・年始に安全事故または猟奇的な事件がいろいろ発生した。言い訳にもならない恥ずべき自画像だ。ただの事件・事故で片付けるには長期間放置、あるいは無視されてきた人命軽視、安全不感、倫理観が欠如しているとしか言えない。あいにく2018年は国民所得(GNI)が3万ドルを超える年になるのが確実だ。平昌冬季五輪とともに国運の上昇に対する期待感で盛り上がるはずの周りの反応が意外に落ち着いている。4万ドル時代への進入のどころか、2万ドル時代に下落するかもしれないという懸念も大きい。
このような不安と懸念をきれいに払い落とすことができる特段の処方箋はないか? 局面転換ができる画期的な妙策がなくもどかしいばかりだ。国の未来をために保守と進歩、中高年と青年、首都圏と地方、企業と労働者など、みんなが一つになって頭を悩ませながらソリューションを見つけ出す大和合の場は、我々にぜいたくであり虚栄であるだろうか。少なくとも国家の沈没は避けなければならず、持続可能な成長に向けた潜在動力を探さなければならない。この時点で最も早急に求められるのは、国家経営と関連したハードウェア的な革新だ。体質に合う果敢で画期的なパラダイムシフトが必要である絶体絶命のタイミングだ。1960年代の開発時代の産業化と1987年の民主化方式のパラダイムはすでに寿命が終わった。少なくとも経済問題だけは一つにならなければならない。
ここまでの50数年間、後発国の典型的な経済発展モデルの「素早い追撃者 (Fast Follower) 」戦略で一生懸命走ってきた。軽工業→重化学工業→ITなど、グローバル経済の流れに順応しながらそれなりに位置選定をよくしてきた。日本が失われた20年を経験するなか、IT・家電、造船、鉄鋼など、一部の産業では一時世界1等席を享受したり、まだも享受している。7番目の「30-50クラブ (国民所得3万ドルと人口5000万) 」加入まで確実視される。しかし、現実はそんなに簡単ではない。中国は我々の後を追撃しており、日本は長い眠りから目覚め、復活の兆しがはっきりしている。東南アジア、インド、メキシコなどの新興「世界工場」らの勢いも激しい。いずれも我々を威嚇している一連の群れだ。二流・三流国家のシステムでグローバル競争で生き残れない。
銃声のないグローバル戦争時代に足元に火がついたのは企業だ。大企業・中堅企業は革新と未来に必要なものの発掘と関連して大きな挑戦に直面している。中小企業はまず、生き残らなければならないという強迫観念に苦しんでいる。このままでは競争で敗退するしかないということをよく知っているが、競争者たちとのスピード競争で遅れている。再び紐を引き締めてパラダイムを革新的に変えなければ、三流国家に転落しかねないという危機感があちこちで感知されている。
中国は巨大市場を背景に輸出・投資で内需・消費中心の質的成長へとパラダイムシフトを進めている。日本は成長動力の回復と人口の崖時代に備えて国家改造を急ぐ。特に典型的な旧態の象徴である公共部門の変身が驚くほどだ。
最近、グローバル競争で眼立つ特徴は「素早い追撃者 (Fast Follower)」と「ファーストムーバー (First Mover)」間の境界が崩れている点だ。中国のような新興国まで4次産業革命の競争に果敢に乗り出している。このような趨勢なら、今後5~10年後には産業化の先・後発に関係なく国家競争力順位が大きく反転される可能性が大きい。
現在の物差しで私たちが持った長・短所を精密に分析、生存可能な新たなパラダイムを構築しなければならない。大企業の実体を認めながら中小・ベンチャー企業、あるいはスタートアップらとの同伴成長フレームが必要である。政府など公共部門は変身のために骨を削らなければならない。規制撤廃と世界のどの国にもない無数の政府系団体を果敢に間引きしなければならない。直接的資金提供を通じたゾンビ企業の量産を防ぎ、持続可能な生態系で市場で通用する良質の企業を育てる土壌づくりが必要である。
一方、随所に蔓延している非効率とモラルハザードを除去しなければならない。生活の質、安全と関連した公共雇用は増やさなければならないが、不要な行政要員に対しては果敢にメスを示さなければならない。海外公館として海外に出ると、国家予算を浪費するゾンビの高位公務員たちが多い。地方政府の場合、地域開発など懸案があるところと、そうじゃないところの立場が反対になっていたりする。国家R&Dは集団利己主義と食物連鎖で不道徳の極致を見せてくれる。雨後の竹の子のように生じた各種の政府系団体の首長は退職した官僚マフィアの占有物だ。民間部門も大企業オーナーの不正と労働者の利己は、このような土壌でさらに猛威を振るっている。世界10位圏の経済規模である韓国が、最近、国際透明性機構(TI)が発表した清廉度評価で175カ国のうち52位にとどまった。
このような二・三流国家構造で未来を夢見るのは緣木求魚(木に登って魚を求める)、そのものだ。
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