米国は、韓国、日本、中国、ロシア、欧州連合(EU)とサービス分野の貿易障壁を撤廃し、投資活性化に向けた交渉を本格的に推進する。米通商代表部(USTR)のカーク代表が15日、明らかにした。
カーク代表は声明で「スイス・ジュネーブでこれらの国と交渉を始める。サービス分野の輸出が製造業分野同様に成長すれば米国の輸出は年間最大8000億ドル(約70兆7920億円)増える」と述べた。
さらに同日、公式書簡で米議会に交渉開始を伝え「このような潜在的効果を実現するため、サービスの国際的な供給を妨げたり抑制している一連の障壁を撤廃し、予測の可能性や透明性を高めるべきだ」と説明した。
ジュネーブに本部を置く世界貿易機関(WTO)を通じ、国際サービス協定(ISA)締結を本格的に進めるものとみられる。
ISAは2001年に始まったドーハ開発アジェンダ(DDA)の交渉が進展を見せないため、その代案として協議されているサービス部門の貿易円滑化・活性化方策だ。
金融、保健、通信、政府調達、環境およびエネルギーサービス分野を網羅し、貿易規模は2011年基準で8兆ドルに達する。
韓国をはじめEU加盟国、米国、日本、オーストラリア、香港、メキシコ、トルコなどが参加している。
ピーターソン国際経済研究所は昨年4月に発表した報告書で、この協定が当初から交渉に参加してきた16カ国・地域で締結されれば、加盟国間のサービス輸出額が年間780億ドル増加すると見通した。
これらの国は世界のサービス貿易市場の3分の2を占めている。
ただ、新興市場の中国やインド、ブラジル、ロシアなどはこの交渉に加わっていない。
同研究所はこの報告書で、この協定締結で最大の恩恵を受けるのは米国とEUで、それぞれ140億ドルと210億ドルの輸出増加が見込まれるとした上で、中国やインドなど新興国が加われば貿易規模はさらに約30%増加すると分析した。
カーク代表は90日以内に交渉が開始され、米国のサービス輸出が10億ドル増えるごとに米国内の雇用が4200人分ずつ増えるとの見通しを示した。
米国は2011年、国内総生産(GDP)の11%に達する1兆7000億ドル相当のサービスを輸出し、同年のサービス分野で1785億ドルの黒字を記録した。
(聯合ニュース)
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